被災商店街に炊き出しの輪 近所から差し入れも 柏崎
朝日新聞2007年07月19日から引用
新潟県中越沖地震による倒壊などの被害が最も激しかった柏崎市内の地区の一つ東本町2丁目。道路が通行止めとなった「えんま通り商店街」の裏側駐車場で、活気にあふれた声が響く。自らも被災者である商店街の有志らが、地域の人を元気づけようと炊き出しを続けている。
近所の被災者を迎える「えんま通り商店街」の中村美也子さん(中央)
「おにぎり全部配っちゃって」「今日のお昼はチャーハンよ」。大きな声で仲間をまとめているのが陶器店「中村」の中村美也子さん(35)。辛うじて自宅で寝泊まりできる中村さんが同じ程度の被害だった呉服店や洋品店、眼鏡屋などの仲間らと、震災当日から1週間の期限付きで始めた。
初めは各自が食材を持ち出したが、今は市外の知り合いやボランティアが届けてくれるカレーライスや豚汁などに支えられている。この取り組みが近所で評判になり、炊き出しに励まされた住民からも「配ってください」と、逆に差し入れが届くようになった。
1階店舗部分がつぶれた菓子屋から、冷蔵庫で無事だった和菓子が届けられたり、震災で営業休止に追い込まれたラーメン屋から「腐ってしまう前に」と、チャーシューやカット野菜が差し入れられたり。
18日からは「この感謝を忘れないように」と、誰がいつ何を差し入れてくれたかを紙に書き、テントに張り出し始めた。
みんなを引っ張る中村さんだが、陶器店では商品の皿やコップなどが粉々になって床に散乱している。この日からようやく片づけを始める余裕ができたが、店の再開のメドは立っていない。
「最初の1週間はみんな落ち着かない。炊き出しで少しでも不安が解消されればいい。商店街は地域の人たちに支えられてきたのだから」と中村さん。ほかの仲間にも共通する思いだ。
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