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2004/05/06

■常識の間違い

三菱自動車の事件が刑事事件になりました。
被害にあった家族の方は「会社ぐるみの殺人」と話していました。
私も同じ立場なら、そう言うでしょう。

それに続いて、「大きな会社なのに」と言う言葉がありました。
そこが、実は問題なのです。

10年ほど前に、あるフォーラムで、企業の社会性をテーマにしました。
大企業の経営幹部の方が主なメンバーでした。
ある巨大企業の部長が、こう発言しました。
「私たちのような大企業は、社会貢献活動にも取り組み、社会性もある。
問題は、数の上では圧倒的に多い、中小企業ではないか。」

コーディネーター役の私は、さすがにムッとしました。
「そんなことはありません。
中小企業は、反社会的なことをやれば、すぐ批判を受けて、つぶされます。
だから、お客様や地域社会のことをしっかりと考えています。
考えていないのは、みなさんたちのような大企業です。
悪いことをやっても、大企業は、つぶれないのです。」

この意味が伝わったかどうかはわかりません。

私たちは大きな間違いをしています。
大きければ信頼できる。

事実は逆だと、私は思います。
大企業だからこそ、会社ぐるみの殺人的事件ができるのです。
大企業だから反社会的な活動を社会的だと言い変えられるのです。

その典型が、国家です。
今日、米軍によるイラク人射殺の映像がいっせいに流されました。
国家ぐるみの殺人の典型です。

浅田農産の例があるではないかというかもしれません。
しかし、あれこそが典型的なことです。
反社会的なことをすればすぐに淘汰されるのです。
だから、殺人ではなく、自殺になってしまうのです。

常識とは、思考停止のためのツールです。
間違っていても、常識としては成り立つのです。
常識を捨てることも、時には大切です。

ところでオウム組織と三菱自動車の違いはなんでしょうか。
もちろん違うものですが、
組織のこわさを示している点においては同じかもしれません。
「組織の時代」は、終わりにしたいです。

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コメント

こんにちは。佐藤さんのお考えに同感です。そもそも自動車事故で死亡する人は国内だけでも1万人を超えると言われていますが、このことを指して「殺人が容認される社会」と指摘する人がいて、ショックを受けました1人殺せば大事件で沢山殺すと国際貢献と呼ばれる愚者の王国の住人としてはもはや「正義」を語る資格はないな、と思う今日この頃です。

投稿: shimoyama | 2004/05/07 09:11

下山さん
ありがとうございます。

下山さんのブロッグほどではないですが、
私の発言もだんだんエスカレートしそうです。
実はこの記事の最初は、もっときついいい方でした。
さすがに気になって、最後を変えました。
いやはや。

三菱自動車は解散すべきですね。
あるいは労働組合に経営権を委譲すべきですね。

下山さん以外のみなさん。
下山さんの「鳩の目日記」もぜひご愛読下さい。
http://communityart.cocolog-nifty.com/hato/">http://communityart.cocolog-nifty.com/hato/

投稿: 佐藤修 | 2004/05/07 14:23

「組織の次代を終わらせる」には、そのためのメソッドが必要だと思います。
コミュニティアート・ふなばしのコミュニティアートも、コムケアも「組織の次代を終わらせる」ための“道場”(学校という言い方はあんまりすきじゃないので・・・)のようなものと認識しているのですが、佐藤さんはいかがお考えですか?

投稿: shimoyama | 2004/05/07 15:57

下山さん
はい、その通りです。
ただし、誤解のないようにいえば、
個人の時代にも組織はとても大切です。
ただ原理や関係性が変わるのです。

これは内緒話ですが、
コムケア仲間の多くも、まだ組織の時代の発想の人が多いです。
ですから時々めげるわけです。

また、私は組織の時代を終わらせると書きましたが、
私自身は、終わったという認識で言動しています。
ですから時々破綻をきたします。

ところで、
鳩の目日記を引用して、
トラックバックなる仕組みを実験しようと思ったのですが、
失敗しました。
どうやればいいのか、今度教えてください。

投稿: 佐藤修 | 2004/05/07 16:14

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