■動いていないエスカレータでつまずいたことはないですか
止まっているエスカレータに、なぜか2回乗りました。
もちろん動いているものと思って乗ったのです。
危なくつまずきそうになりました。
2回ともです。
動いていないのに気づいて、歩き出したのですが、おかしな気分で、うまく歩けません。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、嘔吐感に襲われました。
実に不快で、めまいがして、自分が頼りないのです。
動いていないのに、私の五感は動いているように受け止めているのです。
動いていないエスカレータは、私の頭の中には存在していないのかもしれません。
人間は、事実を見るのではなく、思い込んでいるイメージを見ていることがよくわかります。
みんな思いこみで生きていることを、この頃、強く感じます。
一昨日、大学の同窓生仲間で会食をしましたが、
みんなそれぞれが創りあげた相手と話しているような気がしました。
それぞれが思っている「私」と私が自覚している「私」とはかなり違います。
私が思っている「相手」と、その人が思っている「自分」とも大きく違うのでしょうね。
まさに人は、付き合いたい相手を勝手に創りあげて、付き合っているのでしょうね。
時にそれが破綻するわけです。
コミュニケーションなど、できるはずがない。
私が若いころ、書きたかった小説のモチーフは、「ディスコミュニケーション」です。
ちなみに表題は「メビウスの男」でした。
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コメント
佐藤さん、その小説を書いてみてはいかがですか?
添削(?)したいです。
投稿: のんきな巡礼 | 2004/06/16 22:12
3部作でした。
2作目は「クラインの女」でした。
スタイルが画期的でした。
まだ誰も挑戦していないスタイルです。
そのスタイルが難しすぎて、実現しなかったのですが。
但し、もう書きません。
本は生涯1冊と決めています。
残念ながら小説ではありません。
「コモンズの回復」です。
65歳になったら書く予定です。
投稿: 佐藤修 | 2004/06/16 23:17