■自然の力
台風です。
湯島のオフィスで空を見るのが、私はとても好きなのですが、
今日の空はとても悲しい灰色です。
昨日の真夏のような空とは全く違います。
私の気分も、昨日とは全く違います。
午後からは雨が降ってきました。
自然の力は大きいです。
自然の大きな力の前では、人間は微力な存在です。
「沈黙の春」の著者であるレイチェル・カーソンは、
環境が、動植物の形態や習性をつくりあげてきたと言った後で、こう書いています。
地球が誕生してから過ぎ去った時の流れを見渡しても、
生物が環境を変えるという逆の力は、ごく小さなものに過ぎない。
だが、20世紀というわずかのあいだに、
人間という一族が、おそるべき力を手に入れて、自然を変えようとしている。
この下りが、私をエコロジストに引き込んだのですが、
数年前から少し疑問を持ち出しています。
CWSコモンズでもいつか書きましたが、
宮崎の綾町の照葉樹林に出合ったのが契機です。
結局は自然の前では、人間などは小さな存在だと思ったのです。
目前に広がる照葉樹林の迫力にただただ圧倒されました。
30年ほど前に、ベトナム上空を飛行機で飛んだ時に、
ベトナム国土がまさに砂漠のように見えた記憶があります。
米軍の焦土作戦は自然を破壊したのでしょう。
しかし、まあ自然の尺度から見たら、そんなものは瑣末なことだったのかもしれません。
こういう考えが間違っていることは自覚していますが、
豊かな自然やパワフルな台風をみていると、
なぜか環境問題への取り組みが小賢しく思えてなりません。
風が強くなってきました。
わくわくします。
私は台風が大好きなのです。
急いで帰って、台風を満喫します。
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