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2004/06/03

■テレビタレントのサブリミナル効果  

佐世保の小学生殺人事件によって、私たちはまたひとつタブーを失ったように思います。
子供同士の殺人という、思ってもみなかったことが、この数年、次々と起こりました。
不謹慎ないい方ですが、そうした事件が「解禁」されたのです。
こういう「解禁」が、この数十年、次々と起こっています。
生命現象の危機かも知れません。

私たちの社会が何とか安泰を保てている大きな理由の一つは、タブーがあるからです。
天の摂理として、生命の一つひとつに、それは埋め込まれています。
陽光を浴びると元気になり、血をみると恐怖に陥る。
笑顔を見ると心和らぎ、涙を見ると涙が出てくる。
困っている人がいたら、自然と救いの手が出てしまう。
それは、生命現象が個々ばらばらにあるのではなく、つながっているからだと、私は思っています。
人が喜ぶと自分もうれしくなるのも、そのおかげです。

ところが、最近、どうもそうではないのです。
どこかで生命の連鎖が切られてしまっているような気がしてなりません。
埋め込まれているはずのタブーがどこかで動かなくなっているのでしょうか。

タブーは、誰かが破ってしまうとタブーであることをやめてしまいます。
問題は、誰も破らなくても破れることを確信させてしまうことがあることです。
タブーは実際には破らなくとも、頭の中の空想の世界で破ってしまうことがあります。
皆さんも、頭の中でタブーを破ったことはあるでしょう。
それが現実にならないところにタブーのタブーたる由縁があります。
もちろん全く気づかないタブーもありますが。

では誰がタブーが破られたと思わせたのでしょうか。

サブリミナル効果が話題になったことがあります。
多くの場合、隠し画面として特定のメッセージを入れることを指しますが、
それ以上に大きな影響は、テレビを舞台に活動している有名タレントたちの言動です。
最近のテレビは、彼らの主観的言動の露出空間になっており、そこからの繰り返しメッセージがサブリミナル効果を持ち出しているような気がします。
そうしたシグナルの中に、自らの頭の中のタブー破りを含意している言動が、かなりあるように思われます。しかもそれらは特別の物語としてではなく、日常的な人間生活の中につながっているために、現実との境界が見えなくなってしまっているように思います。
しかもそうしたことを売り物にしている存在が少なくありません。
要するにテレビの中が、日常をベースにした非日常になっているのです。
昔は逆だった陽に思います。
たとえば北野たけしは世界的に高い評価を得ていますが、私には全く理解できません。
私の体内に埋め込まれた感性からすれば、目を背けたくなる言動があまりにも多いからです。どこにでもいるただの人が、無理をして騒いでいるだけにしか感じません。
私の感性が狂っているのかもしれませんが。

いまや子どもたちの最大の「学びの場」になっているテレビに関わる人たちに、
今回の事件と自分の言動をつなげて考えてほしいと思います。
もちろんニュースキャスターも含めてです。

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コメント

佐藤さん、こんにちは。

職業柄、子どもや若者の事件については、根拠のないコメントをされるととても気になります。
ジャーナリストの福冨忠和さんのコラムでとてもすぐれたコメントがなされていました。少年犯罪が凶悪化した例は、過去に何回かあるとのことです。それはいずれも乱世や戦時下。大人の、しかもタレントのブラックジョークなどではなく、「国家そのものが暴力を推奨する状態」のもとで起こっているという指摘です。
私たちの社会は現在、、「国家そのものが暴力を推奨する状態」にあり、無実の市民の虐殺を容認する状態です。
大人が無実の市民を虐殺することを容認しているのだから、子どもが「理由あって」殺人を犯すのは、相対的に見れば、まだ「穏やかな状態」と言えるのではないでしょうか。

東京バイツ・「第137回 脇差しを差し、槍で武装した少年たちは、ただ、来るべき戦に備えていた」福冨忠和
http://pcweb.mycom.co.jp/column/bytes/137/">http://pcweb.mycom.co.jp/column/bytes/137/

投稿: shimoyama | 2004/06/04 11:04

shimoyamaさん

たしかに根拠のないコメントでした。
というか私のコメントはいつも根拠がないのです。

福冨さんのコメントを読みました。
私には少し違和感があります。

これについては、今度お会いした時に話したいです。
ちょっと逃げてますかね。
いやはや。

投稿: 佐藤修 | 2004/06/04 21:33

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