■出生率低下は未来への夢とつながっています
合計特殊出生率が1.3を切りました。衝撃です。
さまざまな委員会で議論されていましたが、下げ止められずにいます。
そろそろ方法論や議論するメンバーの間違いに気づくべきでしょう。
現場に立脚しない人の議論は何の役にも立たないのです。
10年以上前にある研究所が、
「あなたの子どもたちの時代はあなたよりも幸せになると思いますか」
という調査をしました。
私は講演の時に、この質問をさせてもらいます。
イエスと答える人は極めて少ないです。
10年以上前の調査結果は20%でした。
8割の人が将来に希望を持っていないという社会は異常です。
子どものいじめや自殺や事故の増加。
すべてがここに象徴されています。
そして出生率が下げ続ける社会。
会社を辞めてから、初めて関わりだしたことがいくつかありますが、
その一つが保育の世界です。
私の関心は幼児教育(保育という意味での教育)でしたが、
出生率が1.5を切ったので、話題が高まっており、そのおかげで研究会も開催できました。厚生省や日経連の人にも参加してもらいましたが、私自身がついていけませんでした。みんな産業論で考えているのです。
しかし、素晴らしい保育関係者との出会いもありました。
しかし、数年前から、保育の現場にも違和感が出てきました。
国庫からたくさんの補助金が流出したのでしょうか、なにかバブルを感じさせるような話がいろいろと耳に入りだしました。子育てに資金を出したら出生率が高まるという発想が、出生率を下げてきたのです。
10年前から日本は福祉バブルです。今もそうだと思います。
福祉の世界で真面目に仕事に取り組んでいる関係者の人は、今も資金不足に悩んでいるでしょうが、バブルとはそういうものです。
産業バブルの時も、結局は汗をかく真面目な働き手は辛いだけだったのです。
なぜ出生率が下がり続けるのか。
なぜ子どもの世界の事件の話題が多いのか。
なぜみんなが弱いものいじめをするのか。
夢が持てないからかもしれません。
「あなたの夢は何ですか」
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