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2004/08/13

■JR我孫子駅のタバコの自動販売機 

今日は、私の娘からの問題提起です。
JR我孫子駅の改札口の横に、最近、タバコの自動販売機が設置されました。
それが気になったようで、どう思うかと質問されました。

我孫子駅の場合は、まだ一部に喫煙コーナーがありますが、JRはタバコ締め出しの方向で動いています。その駅にたばこの自動販売機の増設はおかしいというのです。
そういわれると、たしかに問題があります。
現代社会の本質が象徴されているような気がしてきました。

たとえば、
一方でタバコを締め出しながら、一方でタバコを販売する。
JRは、構内を禁煙にしたことで大幅な経費削減になったはずですが、禁煙されている場所でタバコを販売して利益を得るわけです。そこで買われたタバコはどこで吸われるのでしょうか。どうも首尾一貫しません。
そこには、社会コストを考えない、直接的な自己利益だけを追求する現代の企業の本質が見えてきます。個の利益の追求が、見えざる手によって、社会利益になるという、アダム・スミスの仮説には、それなりのルール(道徳感情)が必要なのです。

たとえば、
喫煙者の便宜を図るための顧客サービス(CS)の一環だと言う考え方もあるでしょうが、ビジョンのないCSは利益目的の商業主義でしかありません。大切なのは、もっと「大きな消費者満足」です。小さな経済に目がくらんだ企業にはそれが見えなくなっています。
そのことを少し書いた昔の小論をお読みください。
http://homepage2.nifty.com/CWS/cs-ronnbun.htm
顧客サービスと言いながら、顧客を追い込む現代のマーケティングの本質が見えてきます。企業の昨今のCSのCは、コーポレートのCでしかありません。

ビジョンのない小賢しさは、自らを滅ぼします。
そろそろ「小さな経済」「小さな経営」の発想を捨てなければいけません。

たかが自販機、されど自販機、です。
ちなみに、私はこの7年、自販機を使ったことは3回くらいしかありません。
さまざまな商品の自販機がなくなることを願っています。
ATMには抵抗できずにいますが。

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