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2004/11/04

■人の道を外すことが「人の道」  

「沈黙の春」を読む会と言うのをやっているのですが、そこで倫理の話が出てきました。
キリスト教社会では倫理の拠り所があるためか、倫理(ethics)という言葉が実体概念として受け止めやすいが、日本では倫理ということがわかりにくいと、米国で育ったメンバーがいいました。倫理という言葉できてから、まだ120年という意見も出されました。たしかに馴染みにくい言葉です。

倫理という言葉には、私は管理の姿勢を感じ、少し反発したくなります。たとえば、国歌を強要するリーダーシップのない都知事を思い出してしまいます。倫理は国家用語です。私の世界の言葉ではありません。

それに代わる日本語は何でしょうか。
とてもいい言葉があります。
「人の道」です。
これこそは私たちの言葉です。コモンズ用語です。

ところで、その「人の道」に反する事が、最近は評価される時代です。
それは、逆接的に聞こえるかもしれませんが、国家体制が崩壊されつつある証かもしれません。ローマ時代も、1世紀まではきっと「人の道」が大切にされたはずです。ブルータスの悲劇も、そのためかもしれません。

前置きが長くなりました。

楽天がプロ野球参入権を獲得し、ライブドアがだめでした。
これは「人の道」に反します。
中国的にいえば、最初に井戸を掘ったのは堀江さんです。
わりきれません。

香田さん事件はどうでしょうか。
人の道に反していないでしょうか。
香田さんのことではありません。
彼の救出に誠意を示さなかった日本の人たちのことです。
彼の死に哀悼の意を表しない私たちのことです。

そして、昨日、ブッシュが勝利しました。
嘘をついて、人を殺す事件を起こし、豊かなイラクを破壊し続けている人物が信任されたのです。
人の道を外すことが、今や「人の道」になったようです。
まさに「悪貨は良貨を駆逐する」です。
こうした社会の育つ次世代の子どもたちは、いったいどうなるのでしょうか。
少子化よりも深刻な問題が、そこにあります。
でも誰もそんなことは気にしないのでしょう。
それがこれまでの社会パラダイムだったのです。

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コメント

おひさしぶりです。お元気ですか?
ご意見、まったくもって同感です。私は最近、何をやっても毎日気分が暗いままです。寝ようとして床につくと、何やら涙すらあふれてきます。中東の人に首を絞められる夢をよくみます。
生きていくことには喜びもありますが、どうもつらいこともたくさんですね...
変えなければ、発言しなければ、行動しなければ...

投稿: おおむら | 2004/11/05 01:22

大村さん
最近はなかなか会えませんね。

仕事以外は、余りうまく行っていないとのこと。
きっと、思考が先行しすぎているのでしょうね。
私は仕事もあまりうまくいきません。

今日はとてもいい天気です。
秋晴れの空を見ていると気分が落ち着きます。
きっとイラクの空はもっときれいな青さです。

東京に来る機会があったら声を賭けてください。

そうそう、
「・・・しなければ」
と思うのはやめたほうがいいです。
時期が来たら、身体が動き出しますから。
きっと。

投稿: 佐藤修 | 2004/11/05 07:21

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