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2004/12/23

■何もかも売買の対象になる社会  

権利か義務か」「お金の自己増殖」の話につなげて、今回も経済についての疑問を書きます。
材料は「空中権」です。
月の土地が売買されていると言う話もありますが、もっと現実的な話です。

今日の朝日新聞の記事です。

東京駅丸の内口の正面にある「新丸の内ビル」が、高さ198メートルの高層ビルに建て替えられることが、22日開かれた東京都都市計画審議会で認められた。同駅が利用していない「空中権」を新しいビルに移して高層化する。

前日の読売新聞はこう書いています。

東京・千代田区のJR東京駅の上に広がる空間が、周辺で建設計画の進む超高層ビル4棟の高さを引き上げるのに、“一役”買っている。 JR側が、本来は駅の上に高いビルを建てられるのに使わない空間を、「空中権」として譲渡したからだ。国の規制緩和で、都が同駅周辺に特例制度を適用したためだが、専門家からは疑問の声も出ている。

同紙によれば、「空中権は、米国で発達した概念で、土地の上の空間を利用する権利の総称。日本では法律に明記された権利ではないが、土地にどれだけの床面積の建物を建てられるかを指し、実際には容積率を譲渡する形でやり取りされ、土地のように売買されることもある」ということです。

土地の所有権が垂直方向にどこまで及ぶのかも議論の的ですが、私の違和感はそれ以上に、あらゆるものが経済的な権利となって金銭評価され、金銭経済に組み込まれていくことです。
生活のあらゆる分野が市場化されてきているのも不愉快ですが、それ以上に何でもかんでもが売買の対象になっていくのが不安です。不動産も証券化されましたし、環境を汚染する権利(正確には規制以下の部分だけですが)今や商品化されています。
恐ろしい時代です。
そうした発想の延長に何が出てくるかは、少し想像力を発揮すれば見えてきます。
こうした方向に経済を進めている経済人や政治家は、一体何を考えているのでしょうか。

こうしたことの意味はもっと真剣に考えなければいけません。
それが経済学者の倫理だと思うのですが。

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