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2005/01/21

■強制送還の権利 

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民と認めたトルコ国籍のクルド人、アハメット・カザンキランさん(49)と長男(20)がトルコに強制送還されました。その経緯にはいささかの恐ろしさを感じます。

2人は家族とともに、難民認定を求めて国連大学前で座り込みデモを行っていたそうですが、その途中で、品川入国管理局へ仮放免の延長手続きに行ったところ、その場で身柄を拘束されてしまい、なんとその翌日、2人は飛行機で、トルコへ強制送還されてしまったのです。
彼らを支援していた人からのメールによれば、UNHCRが難民と認めた難民が本国に強制送還された例はないそうです。
いうまでもなく、強制送還は生命の危険につながります。幸いに、今回は空港内でトルコ警察の手に引き渡されたものの、アハメットさんは解放され、息子さんは軍隊に入隊させられたそうです。もっともその先はわかりませんが。

社民党の福島党首が20日、南野法相に「政府の措置は極めて不当。UNHCRの勧告や判断を十分尊重することを求める」と申し入れたところ、法相は「日本の裁判所で難民ではないという認定が出たので、国内法にのっとって送還せざるを得ない」と答えたといいいます。国連の勧告は無視されたわけです。
脱北者を強制送還する中国政府のやり方に、私は国家犯罪を感じています。しかし、ほぼ同じことが日本でも行われていることをまざまざと知らされました。しかも、その手際の良さには驚くよりも怖さを感じました。
自らの秩序を維持するために、個人の生命はコラテラルダメッジでしかないのでしょうか。こうした事件は、ほかにもたくさんあるのでしょうか。

強制送還できる国家はすごい存在なのですね。
改めて国家のすごさを思い知らされました。

追記(1月22日)
この件に関するトラックバックのホームページもご覧下さい。
また、これに対するアクションの呼びかけもまわってきました。
そのメールを次のところに臨時掲載しています。
http://homepage2.nifty.com/CWS/050122.htm

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TB失礼します。この議論が深まり、人道的に正しい判断が下されることを願います。 [続きを読む]

受信: 2005/01/22 07:06

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