■司法改革の前にやるべきこと
昨日、2つの判決が出ました。
東京都管理職試験訴訟と桶川女子大生刺殺賠償訴訟です。
皆さんはどう評価されたでしょうか。
私はまた裁判官と法曹界の非常識さを感じました。
被害者の目線に立つことは今の裁判官には望むことは無理なのでしょうか。
いずれも責任放棄しているとしか考えられません。
彼らをこそ裁判にかけてやりたいです。
事実、裁判の当事者になった法曹界の人が被害者の会に入って活動していますが、
当事者にならなければわからないような人には法曹界には入ってほしくありません。
私は法学部で学びましたが、リーガルマインドを身に付けたと自負しています。
しかし法曹界に入るには条文の暗記や解釈の暗記が必要だったような気がします。
その現実を知って(認識違いだったかもしれません)、目指していた検事になるのをやめたのですが、今から思うと悔やまれます。裁判官になって、内部告発すればよかったです。いや、また口がすべりました。
裁判は何のためにあるのか。
秩序維持のためにあります。
その秩序は、組織の秩序です。
個々人の生活の秩序ではないのです。
組織起点の発想から個人起点の発想に帰ると、裁判の問題点が見えてきます。
司法改革は、その視点を変えることでなければ、悪くなるだけの話です。
裁判員制度を司法改革などと思っている法曹界の人たちは、小泉首相の構造改革と同じ発想の人たちでしょう。
残念でなりません。
先ずは自らを変えずして、改革などは行えないのです。
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コメント
佐藤さん
こんにちは。
私も、今回の二つの判決に失望しました。
三権分立で、民主主義が機能するのですが、その一角が役割を果たせていないのです。
判決が語ることは、
「外国人雇用は、自治体の判断に任せる(どっちとも取れるが、判断は司法は行ないません)。」
「桶川の殺害で、警察の業務品質は問わない。」
前者で、百歩譲って「日本国籍を取れ」といえば、それも見解の一つではあったのです。しかし、「自治体の判断に任せる」。
悲しい気持ちになりました。
民主主義のインフラがまだないわが国。
地道な草の根の取組みしかないと思いました。
それが、わが国の足腰を強化すると信じます。
たとえこれからももっと失望し、もっと悲しいことが続いても、めげずに続けたいと思います。
いつか、司法・警察を含む行政で響き合える人も増えると信じます。いい仕事をしている人もいらっしゃるのですから。
田辺
投稿: 田辺 大 | 2005/01/27 23:04
田辺さん
ありがとうございます。
残念です。
ご指摘の通り、司法や警察には真面目な方が多いです。私の友人の弁護士の一人は、ブックのコーナーで紹介していますが、豊島の産廃問題に、それこそ誠心誠意取り組みいました。
若い友人の2人は、思いと情熱を持って、最近警察官になりました。
ですから、私の記事はかなり偏っていますが、それだからこそ残念でなりません。
まあ、そんなこともあって、3月初めに、憲法サロンをまたやる予定です。今度は、川本兼さんをゲストに呼びます。ぜひ若者を巻き込みたいと思っています。ご支援下さい。
またお知らせで案内します。
投稿: 佐藤修 | 2005/01/28 07:42