■3つの企業価値を可視化したライブドアの堀江さん
ニッポン放送問題に関連して、気になる言葉がいろいろ出ています。
放送は公共財だとテレビ局の経営者が考えていることも知りました。
最近のテレビ番組は、公共性とは反対のところを目指しているように思っていたのですが、それが公共性だったのですね。
それで最近のNHKの不祥事が納得できました。公共性のモデルだったのですね。
おや、これはジョークです。誤解のありませんように。
しかし、企業価値も、彼らはその延長で発想していますね。
こうなるとジョークとも言っていられません。
企業価値にはキャッシュフローとしての企業価値とレゾンデートルとしての企業価値がありますが、ほとんどの人は前者、しかも株価程度の意味で使っているように思います。不勉強な御用経営学者の言葉をさらに不勉強にしか使っていないのが、日本の企業の経営者だと私は思っていますが(つまり彼らは自分の言葉を持っていないという意味で仲間です)、無理をせずに株価や経営者特権といえばいいように思います。
日枝会長が使う「ステークホルダー」という言葉もわかりにくいです。一方で公共性をいいながら、狭義のステークホルダー論を振り回す。なにかおかしいですね。
こういう言葉のごまかしが蔓延していますが、それをしっかりと追求するキャスターが少ないのも残念です。もう少しまともな質問をしてほしいと思うことが多すぎます。
ついでにいえば、記者会見のスタイルも対照的です。そこに実相が見えてきます。
多くの場合、堀江さんは一人ですが、フジテレビ側は大勢の役員が並びます。ここにいかに大企業は働かない寄生族が多いかが見えてきます。それらがすべてキャッシュフローとしての企業価値にかかわっているのです。彼らが会社を辞めれば企業価値は高まります。どうせ経営などはしていないのですから。
会社を辞めて、早起きして道路の掃除でもしましょう。そうしたら公共性とは何かがわかるでしょう。第一、社会が元気になりますよ。そろそろ後進に道を譲りましょう。今の財界は全くその逆を向いていますが、その意味を考えたことがありますか。
と書いてくるとおわかりだと思いますが、実は第3の企業価値があるのです。それは経営者にとっての価値です。ここで重要なのは、この第3の企業価値は、被用者にとっての働く場としての価値とは似て非なるものだということです。
そして、いま、日枝会長が守っているのは、この第3の企業価値のような気がします。
それが、第1、第2の企業価値のいずれとも対立するものであり、公共性とも対極にあることはいうまでもありません。
このからくりに、産業社会の問題が凝縮されています。
言い方を変えれば、新しい産業社会の可能性も象徴されているように思います。
ちょっと説明不足だったでしょうか。
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