■お金を付けて家を売る時代
今日、地元の不動産屋さんといろいろと四方山話をしていて、聞いた話です。
私の住んでいる我孫子市ではいま、駅前が大型マンションの建設ラッシュなのです。
シティアという大型開発には、私の知っているまちづくり活動に取り組んでいる長野県の人たちが見学にまで来ています。コミュニティを中心においたコンセプトがいいのだそうです。私にはとても違和感がありますが。
まあ、それはともかく、不動産屋さんの話はとても考えさせられました。
こういう話です。
ある人がマンション購入後、事情があって売ることになったそうです。
ところが価格が2年もたっていないのに、1000万円近くも下がってしまい、
残っているローンよりも400万円以上低かったのだそうです。
そのため、マンションを販売するために、その差額を支払わなければならなくなりました。
自分の家を売るのに400万円必要だったわけです。
売った人がお金を払う、おかしな時代が来たとその不動産屋さんは嘆いていました。
まあ、借金をして購入したわけですから、論理的に考えれば当然のことなのですが、なにか不思議な話です。
そういう悲劇が最近は増えているそうです。
誰が得をして、だれが損をしているのでしょうか。
何かが間違っています。
少ない頭金で変える仕組みも住宅価格の品質保証や価格評価の仕組みも、
さらにいえば、その根底にある金融政策や金融産業政策も、どこかに欠陥があります。
少し考えるだけで問題点などはわかりますが、だれも治そうとしません。
ちなみに私も恥ずかしながら、退職金の一部でマンションを購入して、退職金全額以上の損をしました。
金融政策にもその原因の一端があるような気がしますが、
その原因をつくった金融業界の損失は国家によって補填されているのに、
貧しい我が家の損失は残念ながら補填してもらえません。
まあ、自己責任ですから当然ですが。
「住宅喪失」(島本慈子著、ちくま新書)という本があります。
それを紹介しているreikoyamamotoさんのブログも読んでください。
彼女は、「これを読んだだけでは分からないが、日本という国で家を買うのが怖くなった」と書いています。
日本の経済政策や経済システムは、やはり病んでいるとしか思えません。
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