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2005/03/07

■愛国心を育てる国家

宇都宮徳馬さんが創刊された「軍縮問題資料」が休刊されることになりましたが、その最終号が届きました。この雑誌は、私が一番愛読している雑誌です。もっとも熟読しだしたのは、この3年くらいです。それまでは拾い読みでしたが、最近は全記事を読んでいました。

休刊に関しては様々な反響があり、今度の金曜日には再刊に向けての集まりもあるとのことです。私も何か出来ればいいなと思っています。

ところで、今月号に、コスタリカ大学の院生のロベルト・サロマさんが寄稿しています。それを読んで、私の国家観が少し変わりました。私は国家の価値をほとんど評価していないのですが、もしかした間違いではないかと思い出したのです。

アメリカのホワイトハウスのホームページに掲載されていたイラク戦争支持国リストから昨年9月、コスタリカの名前は削除されましたが、そのきっかけは、ロベルトさんが起こした違憲訴訟だったのだそうです。最高裁が「イラク戦争支持は憲法違反」と判決したのです。
彼はこう書いています。

私の提訴は、この国の精神の産物だった。

コスタリカの憲法は、軍隊を禁止し、国のいかなる権力にも他国に宣戦布告することを禁じているといいます。彼の行動は、そうした国家の精神の産物であり、それを支持したのもまた国家の精神だったのです。

さらに彼はこうもいいます。

平和への道はない、平和こそ、その道なのだからということが、おそらく世界に向かって叫んでいる私たちの祖国の精神だったのです。
最後の文章は、こうです。
私たちの国家の歌詞には叡智が満ちています。すなわちー「労働と平和、万歳」

愛国心と何かを改めて考えさせられました。
いまの日本とは、愛国者を育て方があまりにも違います。
コスタリカに生まれたら、私もきっと愛国心が持てたでしょう。
いや、この発想自体が、無責任で他人依存型とロベルトさんから非難されそうですね。
それに、日本はコスタリカに負けない憲法を持っているのですから。

ロベルトさんは先月来日し、8都市で講演されています。
ネットで調べれば、きっとどこかに記録があるはずですが、
詳しい記事はまだ見つけられていません。
関連情報のサイトを下記します。
■コスタリカの歴史と平和憲法の成立について
■イラク戦争合意違憲判決(2003_9_8)コスタリカ最高裁
■コスタリカ市民の憲法意識

軍縮問題資料の最終号(4月号)は、次のところに申し込むと購入でします。
1冊410円です。
http://www.heiwa.net/

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