■福知山線事故の問題の構図
福知山線事故のニュースが連日流されています。
遺族から垣内社長に怒りがぶつけられるシーンも少なくありません。
遺族の怒りには共感する一方で、何か問題が違っているような気もします。
問題の構図は、「制度vs人間」なのであって、人と人の対立ではないはずです。
この事故は、もちろん人災ですが、その背景にある制度や仕組みに大きな問題があることが見えてきたということだと思います。そこに焦点を当てて、考えることが大切です。
特定の個人の問題にしてしまっては、問題は解決しません。
問題の構図を、「制度vs人間」と捉えれば、垣内社長と遺族とは、実は同じ被害者になります。その視点に立って、どうしたら「発生した問題」に対処したらいいか、どうしたら「問題の再発」を防ぐか、を考えていくことが大切なように思います。
危機管理は「事故を活かすこと」、つまり「危」(ダメージ)を「機」(チャンス)に変えていくことだと私は考えていますが、垣内社長ができることはたくさんあります。
JR西日本の経営幹部のだれかが、気づいてくれるといいのですが。
20世紀はじめの米国の鉄道会社の教訓から、まずは学ぶことが必要かもしれません。
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コメント
佐藤さん、おはようございます。
>遺族の怒りには共感する一方で、何か問題が違っているような気もします。
そのような感覚を私も感じます。
今日も、JRの社員がボーリング大会をしていたことを問題にする報道がくりかえされています。
が、本当の「問題の本質」は、そこなのでしょうか?
確かに、彼らの行動は不適切といわれても仕方がないかもしれません。
しかし、貴重なメディアが時間を割くべき問題の本質なのでしょうか。
むしろ「絶対に非難されても反論できない関係者」を見つけ出し、それを徹底的に糾弾し罵声を投げかけることで、「いじめ」の対象を見つけようとしているように思えなりません。
投稿: 坂谷信雄 | 2005/05/06 08:17