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2005/05/26

■みなさんは何のために仕事をしていますか 

昨日、ある会で話をさせてもらいました。企業関係者も行政関係者もいる集まりでした。
最後に、「みなさんは何のために仕事をしていますか」と質問させてもらいました。
少し間があって、最初に返ってきたのが「楽しみ」のためでした。
その人は画廊を経営されています。
そこで「仕事のお休みはあるのですか」
と質問したら、あるというので、重ねて、
「仕事をしているときと休みのときではどちらが楽しいですか」
と質問しました。
休んでいる時だそうです。となると、先の答えはいささかあやふやになってきます。
他には発言はありませんでした。「パンのため」という意見もありませんでした。

「何のために仕事をするのか」などという馬鹿な疑問を持つ人はいないのかもしれません。しかし、これはきわめて重要な問題です。仕事をするには、それなりの理由があります。その理由から考え直すと「仕事」の意味が見えてきます。

世間の常識では、「お金を得ること」が「仕事」かもしれませんが、この定義が問題だと思います。いい仕事をするためには、お金を得るどころかお金がかかるものです。

雇われていることが仕事をしていることという「常識」もあります。しかし、そうした「雇用労働」に対して、いまは「協同労働」と言う言葉もあり、雇われることと仕事とは別物であることへの気づきは広がってきています。

予算を使うことが仕事だと思っている人もいます。
最近は予算がなくて仕事ができないと言う自治体職員がいますが、先週、予算がなかったので知恵を絞って住民たちと一緒に事業を起したという自治体職員に会いました。もしかしたら、彼は初めて仕事をしたのかもしれません。
仕事の捉え方をちょっと変えるだけで、世界は変わってくるはずです。

「過疎地には仕事がない」などとよくいわれますが、ここでも仕事の意味が真剣に考えられていません。仕事の捉え方をちょっと変えれば、過疎地には仕事が山積みのはずです。「失業者が多いのは仕事がないから」と言う発想も無意味な話だと思います。
「仕事」という言葉ひとつからでも、今の社会の構造的な問題点が見えてくるように思います。

社会はさまざまな仕事で成り立っています。そして、そうした仕事は、決してお金で成り立っているのではありません。そこに気づけば、仕事はもっと楽しくて、充実したものになるでしょう。しかも、生まれてから死ぬまで、すべての人が仕事を楽しめる社会が実現するでしょう。

「仕事」って何なのか、たまにはそんなことも考えてもいいような気がします。
この数日、そんなことを考えたくなるような、いろいろな事件のメールが届いています。
仕事から解放されたい人、仕事が見つからずに苦境に陥っている人、仕事に違和感があって悩んでいる人、みんな仕事に対する固定観念から自由になれていないような気がします。

さて、みなさんにとっては、仕事って何でしょうか。
既成概念の仕事の呪縛に囚われていませんか。

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コメント

このあたり、共感する所があります。

今回は、仕事という言葉から切っているわけですが。
「仕事がつまらない」ということと同様に「会社がつまらない」という事を言う人がいますが。
どうしても、仕事とセットにされがちな「会社」という言葉も、突き詰めると面白いですよね。

「会社」という言葉を、辞書で引くと。
【会社】
(1)営利を目的とする社団法人で、商法による株式会社・合名会社・合資会社と有限会社法による有限会社の総称。また、商法・有限会社法以外の法律により設立される、銀行・相互会社・信託会社などと特殊会社とを含めても用いられる。
(2)同じ志をもって物事を行う集団。結社。仲間。〔明治初期に用いられた語。(1)の原義〕
「本朝にて学術文芸の―を結びしは今日を始めとす/明六雑誌 1」
--大辞林より。---
という事が出てきます。
この(1)の冒頭に出てくる「営利」という言葉なんですが。
これも辞書を引いてみると。
【営利】
金銭的な利益を得ようとすること。利益を得る目的で、ある活動をすること。
と出てきます。
ここに、「利益」という言葉が出てきますが。
金銭的利益というのは、利益の一つであることに気が付くと思います。
つまり、会社で、働いたり、取引をしたり、会社からモノを買うことは、必ずしも、お金での利益を生むことではないという事なんだと思います。

>社会はさまざまな仕事で成り立っています。そして、そうした仕事は、決してお金で成り立っているのではありません。そこに気づけば、仕事はもっと楽しくて、充実したものになるでしょう。
と書かれていますが。

会社というものも、同様なのではないかな、なんて思ってます。

「会社の仕事がつまんない。」なんてものも、視点を変えてみれば、とても楽しくなると思います。

と、会社を辞めた人間がいうのも・・・・

投稿: まいける東山 | 2005/05/27 15:02

ご無沙汰しております、柏でお会いしたYotsumotoです。
佐藤さんの考察が好きでよくこのブログを拝見していますが、特に仕事に関する考察は新鮮な捉え方、発想を頂くことが出来て、今回も自分が固定観念に固まっていることによく気がつきました(苦笑)
特に「なるほど!」と唸ってしまったのが、

>「過疎地には仕事がない」などとよくいわれますが、ここでも仕事の意味が真剣に考えられていません。仕事の捉え方をちょっと変えれば、過疎地には仕事が山積みのはずです。

・・・というくだり。「そっか、そうだよなー!」と声に出してしまいました。
私もこれからは楽しいからする仕事を作り出して生きたいと、生きよう!と、思ったのでした。ありがとうございました!!
(私のHPからもこの頁へリンクさせてください!)

投稿: EARTH SHIP JAPAN | 2005/05/28 01:17

東山さん
四元さん
コメント、ありがとうございました。

風邪でダウンしてました。

「利益」と言う言葉は本当にあいまいな言葉です。東山さんの言うとおり、金銭以外のメリットはいろいろありますし、また誰にとっての利益かで全く別のものになります。

仕事と楽しさですが、
シドニーオリンピックで優勝した高橋尚子さんが、
「楽しい42キロでした」
と言ったように、楽しい人生だったと死ぬときに思いたいと思います。
楽しさの中には、辛さや苦しさ、挫折や自己犠牲、我慢なども、もちろん含まれます。

仕事の意味に納得し、やり終わった時の達成感があれば、どんな仕事も面白くなると思っていますが、まずは「仕事の主役」になることだと思います。もちろん与えられた仕事でもいいのです。

お二人のホームページを見せてもらうと、
四元さんも、東山さんも、
仕事を楽しまれているようですね。

投稿: 佐藤修 | 2005/05/29 11:13

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