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2005/06/17

■NPO法人やまびこ会の事件 

NPO法人がまた事件を起こしました。今回は詐欺事件です。

NPO法人はいまや2万を超えています。しかし、実際に活動しているのはそのうちのどのくらいでしょうか。そして、自立しているのはどのくらいでしょうか。
私はNPOをささやかに応援するコムケア活動に関わっていますので、いろいろとNPOとの接点もあります。さまざまな体験もしています。不愉快なことも少なくありません。もちろんうれしいことが圧倒的に多いですが。
またNPOに対して、行政も企業もかなりの不信感を持っていることも体験しています。

私はNPO法ができるときに、どちらかと言えば、否定的でした。NPOが既存の枠組みに絡めとられてしまう危惧を感じていましたし、なによりも上からのNPOづくりが進むのではないかと思ったからです。違った育ち方があったような気がしますが、代替案もだせずに、ただ批判しているだけでは意味がありません。反省しなければならないのですが、どうも感覚的に今のNPOのあり方には共感できません。そのためもうひとつ、自分が取り組んでいる込むケア活動も完全にははまれないのです。

今のNPOのなかには、行政の下請けであったり、企業の逃げ場だったりするものも少なくありません。また今回のように、犯罪の舞台に使われることも当然あります。登録で社会的保証を与えると言う発想に、私は権力者の傲慢さと市場主義者の社会観を感じてしまうのですが、多くのNPOは経済市場主義社会のサブシステムになっているように思えてなりません。
これに関しては以前小論を書きました。

いうまでもなくNPOは企業と同じく「仕組み」です。犯罪者も営利企業も使い込める仕組みです。一方では社会起業家や生活者も使い込めます。誰が使い込むかで組織は価値が決まってきます。組織に価値観はありません。しかし、なぜか企業というと利益追求の権化とみなされ、NPOというと社会正義の集まりと看做されます。いずれも危険な「常識」ですが、組織で発想する時代にはそうした常識が横行します。

私は今の経済システムはパラダイムシフトすべきであると思っていますので、NPOのみならず企業もパラダイム転換すべきだと思っていますが、とりわけNPOに関して、お上が信頼性のお墨付きや公益性の判断をすることに、論理矛盾を感じています。せっかくの新しい芽をつぶしかねないからです。

法人格やNPOというタイトルに信頼性を与える時代は終わりました。信頼性は実践の中から当事者が積み上げていくべきものです。安直に権力によって与えられた信頼性は実体がないが故にもろいものであり、悪用されやすいでしょう。
ついでにいえば、ISO14000が流行したことがありますし、いままたISO絡みでCSRが流行になっていますが、これらも同じ間違いを犯しているように思います。

やまびこ会の活動は許されないものですが、もしかしたら同じようなことをさまざまな法人格組織はやっているのかもしれません。社会保険庁や雇用促進協会の実態とどこが違うのか、説明できますか。
どこかで組織の作り方や信頼システムの作り方が間違っているように思います。
もちろん国の作り方も、です。

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