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2005/06/03

■働く場の魅力 

昨日は昼間も夜も、NPOを主催している大学生2人とかなり突っ込んだ話をする機会を得ました。
昼間会ったのは、大学院を卒業したら、自分のソーシャルベンチャーを起したいと準備活動をしているSさんです。寝る時間もないくらいのがんばりを続けています。その事業の進め方について、いろいろコメントさせてもらいました。
彼の研究テーマは交通工学ですが、せっかく学んだ、その専門知識とは別の分野で仕事をしていくことに少しもったいなさを感じますが、既存の企業に就職する意思は皆無のようです。自分のやりたいことができない予感を持っているからです。

夜は、茨城県の大学でNPOを主催しているIさんです。彼もまた企業に入らずに、自らの納得できる仕事に取り組みたいと考えていることを知りました。なぜ就職しないのかと質問したら、いまの企業には魅力を感じられないと言うのです。

もちろんこの2人は特別な存在かもしれません。
事実、Iさんは、大学時代みんなNPOや市民活動をしていても、結局は普通の企業に就職してしまう、自分はそうではない生き方をしてみたい、というのです。つまり多くの学生は企業への就職を目指しているわけです。
しかし、そうした若者にとっても、企業は余り魅力的な場ではないのかもしれません。入社後、会社を辞めてしまったという若者が時々やってきます。

私は25年間は企業での雇用労働、その後16年は自らが仕事を創りだす生き方をしてきました。大雑把に言えば、雇用労働はいやな事もありましたが楽でした。それに比べ、自分で仕事を創るのは辛いことが多いですが、楽しいです、「楽な労働」と「楽しい仕事」。この2つの違いは大きいです。
「楽さ」よりも「楽しさ」を選ぶ若者が増えてきたような気がします。そうした若者たちを引き付けるような魅力を、企業は回復しなければいけません。企業を元気にするのは人です。
短期的な業績回復も大事ですが、もっと大切なことは、働く場としての企業の魅力を回復することです。そのためにも、企業のあり方(経営のあり方ではありません)がもっと真剣に問われるべきではないかと思います。

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