■リサイクル疑惑事件に対する朝霞市の反応
今日の日テレの報道特捜プロジェクトで、朝霞市のプラスチックリサイクル業者の不正疑惑が取り上げられました。この問題が取り上げられるのは、4月23日、5月14日に続いて、3回目です。内容に関しては、次のブログが丁寧に紹介してくれています。
http://blog.goo.ne.jp/samidare2005/d/20050611
私は1回目も見たのですが、市役所はきちんと対応したのだろうと思っていました。それほど内容の問題点は明白でした。朝霞市役所にとっては、とてもありがたい問題指摘だったはずだからです。
しかし今日の報道を見て、唖然としました。市役所は事実を否定し、日テレに抗議文を送ったのです。抗議文は朝霞市のホームページに書かれています。
その内容は、常識では考えられないようなひどいものです。朝霞市民は完全に馬鹿にされていますね。私が市民ならすぐに市長に抗議に行きます。盗人猛々しいとはこのことです。こんな人が市長になれる社会は、やはりおかしいです。市長の背景を疑いたくなります。いや職員が黒幕かもしれませんが。
私はテレビの報道番組には不信感を持っていますし、この番組の指摘が絶対に正しいなどとも思っていません。大切なのは、そうした問題指摘に当事者がどう対応するかです。危機管理とは、そういうことです。
朝霞市長と朝霞市役所の対応は、見事に自らの「本性」を露呈しました。つまり共犯者と思われても仕方がないようなコメントを出しているのです。そして、それに気づかないほど無知になっているのです。いや、驕りでしょうか。
しかし、こんなことはそう驚くことでもないのかもしれません。
大阪市での事例は有名ですが、行政では日常茶飯事なのかもしれません。なにしろ小役人や小賢しい首長が真似をするモデルは限りなくたくさんあるからです。そして、問題指摘されても頬かむりしていれば、いつか忘れられることを彼らは知っているのです。
今回の番組では、朝霞市の話の前に、失業保険金の無駄遣いとして有名な雇用促進住宅の話が取り上げられましたが、問題は明確で早期廃止が閣議決定されたにもかかわらず、これから30年かけて廃止していくとの事です。誰にも迷惑を与えることなく、3年で廃止できると思いますが、その10年をかけることを彼らは決めたのです。閣議の権威もなくなりましたが、それを咎めないのは内閣もまた共犯者だからです。
国民を馬鹿にしている首相、小役人に馬鹿にされている首相、住民たちに馬鹿にされている小役人、不幸なトライアングルから抜け出さなければいけません。
みなさんは、自分の所属している組織のボスや住んでいるところの首長を尊敬していますか。
それとも馬鹿にしていますか。
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コメント
>おさむさま
当方のブログを紹介していただきありがとうございます。
今回の問題は今の市長だけではなく、前市長時代からあったような気がします。
(今の市長は今年の2月に就任したばかりですから)
市長が代わったばかりの今だからこそ、膿みを出し切ってしまう良いチャンスなのですが、
なんだか住民として情けなくなってきます。
投稿: samidare2005 | 2005/06/12 11:16
さみだれさま
コメントありがとうございました。
ブログのほかのところも読ませてもらいました。共感できるところがいろいろありました。
市長が変わったばかりなのですね。
まさに「膿みを出し切ってしまう良いチャンス」ですね。
私もある自治体のアドバイザー的な仕事を昨年までしていました。市長が変わったので、これまでの問題を公開し、住民と一緒に考える仕組みをつくれないかと提案しました。だめでした。選挙にまつわるいろいろなしがらみがあるためです。
市長の最大の味方は住民です。良心的な職員にとっても同じことです。そして、住民は必ず正当な評価をします。すべてを公開すれば、真剣に考え、自分たちのまちを良くしようと思います。
そのことに、市長や職員が気づけば、ほとんどの問題はなくなります。
まあ楽観主義的ですが、私はそう思っています。
朝霞市の事件は、奥が深そうです。
私は部外者として勝手なことを書いていますが、きっとさまざまな深い問題があるのでしょう。ゴミの世界は、かなり「恐ろしい世界」でもあるようですし。
しかし、問題がここまで周知されれば、もう隠し立てはできなくなるでしょう。もしかしたら、一番ホッとしているのは市長かもしれません。
そして、もしかしたら、朝霞市ではこれを契機に本格的な住民によるまちづくりが始まるかもしれません。
ぜひそうなってほしいと思っています。
さみだれさんのブログで、経過を追いかけさせてもらおうと思います。
ありがとうございました。
投稿: 佐藤修 | 2005/06/12 16:53