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2005/06/24

■知性は質問の仕方に現れる  

卓球の福原愛選手が中国のテレビの取材を受けたものが、日本のテレビで紹介されました。質問者も回答者もなかなかの、面白いインタビュー番組でした。
内容はかなり辛らつなものもありましたし、インタビュアーの主観的コメントもありました。
ところがそれを紹介していた、日本のテレビのキャスターや同席したタレント?などは、辛らつすぎると批判的でした。中には、私がこんな質問を受けたらすぐに立ち上がって席をはずという若者もいました。日本のいまを象徴しています。
今朝、またテレビで報道されていました。「いい歳」のキャスターが、同じようなコメントをしそうだったのですが、同席したコメンテーターの3人がみんな中国のインタビュアーに肯定的なコメントをしました。ホッとしました。

インタビュー中、愛選手が「日本での質問と違いますね」と切り替えしました。すると相手は「日本ではどんな質問をするのですか」と再質問し、愛選手は「たとえば好きな食べ物は何ですか」と応えました。相手は「では好きな食べ物は何ですか」と質問しました。
実に含意に富むやり取りです。

その人の知性は「質問の仕方」で見えてくると若いときに本で読んだことがあります。とても共感できます。私の質問は、いつも知性を感じさせないものが多いと思いますが、質問の仕方はずっと意識してきたことです。
私の場合、直接話法が多いのです。たとえば相手の発したよく使われる言葉を捉えて「○○って何ですか」と質問します。とても性格が悪いのですが、その反応で、相手がどこまでしっかりと考えて言葉を発しているかがすぐわかります。そして、話すレベルを設定できるのです。もう少し知的に質問すればいいのですが、残念ながら、それが私の知性レベルなのです。性格の悪さは知性を妨げるものなのです。いやはや。

以前も書きましたが、日本のテレビのキャスターはどうしてこうも内容のない質問しかできないのだろうかと思います。それはたぶん日本のテレビ文化の影響なのでしょう。日本のテレビは迎合と持ち上げの文化です。ろくろく声も出ない人を歌手にしたり、ただ食べるだけのことをタレントと位置づけたり、そうしたお互いに持ち上げあう文化をつくってしまったのです。そして強いものに味方する文化が広がっています。かつての判官びいきの文化はどこに行ったのでしょうか。
それがキャスターにまで広がっているように思います。
そのことの影響はとても大きいです。
やや強引ですが、この数日の若者の悲惨な事件も無縁ではないでしょう。

キャスターの人たちは、もうすこしまともな質問をするように世界を広げ深めてほしいものです。片手間にやって、ことの本質を覆い隠すことに加担してほしくはありません。それこそジャーナリズムの死につながることなのです。

私ももう少し知的な質問ができるように心がけたいと思います。

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