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2005/07/28

■司法の死 

あるMLで、こういう題名のメールが回ってきました。つい最近(7月23日)、このブログで中途半端に書き込んだことの実証報告ですので、少し書いておきたいと思います。
舞台は、山梨県の甲府地裁、日時は一昨日(2005年7月26日)です。
山梨日日新聞では次のように報道しています。

自衛隊のイラク派遣は憲法違反として、山梨県内の住民ら284人が国に派遣差し止めなどを求めている訴訟の第4回口頭弁論が26日、甲府地裁であり、新堀亮一裁判長は原告側の証人尋問申請を却下し、同日結審、10月25日に判決言い渡しを伝えた。原告側は「審理は尽くされていない」などと猛反発、地裁内は一時騒然となった。原告団は同日、同裁判長を含む裁判官3人の交代を求める忌避を同地裁に申し立てた。 この日の口頭弁論では原告側が本人陳述を行い、イラク派遣の違法性を訴え、被告の国側に具体的な反論を要求。次回以降の弁論で7人の証人尋問を申請した。国側の代理人は意見陳述で「主張、立証は尽きている。弁論の終結をお願いしたい」と述べた。 新堀裁判長ら3裁判官は合議を行った上で申請の却下と同日の結審、判決日を伝えて退廷。申請却下などの理由説明がなかったことから、原告や原告側の傍聴人が裁判官の後を追おうとして同地裁事務官らに詰め寄り、もみ合いになる場面もあった。 その後、原告側の要求に裁判官が応じ、原告代理人と原告一人、裁判官が面談。裁判官は「合議の秘密」として、結審などの理由は明らかにしなかったという。 原告団は県弁護士会館で会見し、裁判官の対応を批判。原告男性の一人は「裁判の審理は互いの言い分を聞いた上で進められるもの。強引に弁論を打ち切り、審理を終結するやり方が許されるわけはない」と強調した。 取材に対し、同地裁総務課は「個々の裁判官が下した判断の理由を説明することは困難」としている。
これだけだと、司法の死とは大げさではないかと思われるかもしれませんが、現場にいた人からの生々しい報告を読むと怒りが湧き上がります。 実は、こうした事態は予想されており、そのために原告の一人から、きちんとした議論をするように裁判所に要望書を送ってほしいという呼び掛けが事前にありました。 私も東京での同種の裁判を傍聴したこともありますので、状況が少しは想像できたので、早速、ファックスを送りました。ファックスはかなり集まったようで、それが一部の裁判官の心を動かしたような報告も前日にありました。 しかし、結局は被告である国の代理人の主張がとおり、議論無用の突然の結審になったのです。そのやり取りがここに掲載できないのが残念ですが、関心にある人はご連絡を頂けたら、メールを下さった方の了解を得て、メールを送るようにします。

なお、司法の死をもう少し長い目で知るためには、最近出版された「憲法9条の戦後史」(岩波新書)をお薦めします。
司法も国会も、すでに議論の場ではなくなってしまいました。
議論の無いところに民主主義や平和はありません。
司法の死、立法の死は、未来の死でもあります。
どうしたら蘇生できるでしょうか。

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