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2005/08/15

■戦争で死んだ人は英霊になってうれしいのだろうか 

NHKで、「アジアの中の日本」に関する長い話し合いの番組がありました。視聴者参加番組です。会場には50人くらいのさまざまな人が参加していました。アジア各国の若者も多かったです。桜井よしこさんや寺島実郎さんや町村外相も参加していました。

日本はますます80年前の道を歩みだしたなと改めて失望しました。
もちろん、いくつか共感する意見もありました。たとえばある若い女性は、沖縄の戦没者の慰霊碑のような場所にこそ、首相は行ってほしいと涙ながらに発言しました、私も現地でそう思ったことがありますが、つられて涙が出そうになりました。安達さんという女性教師は靖国問題で桜井さんの発言を真っ向から遮りましたが、これにも拍手を送りたかったです。寺島さんは東条英機の遺言を引用して、もっと未来を見据えて本質的な議論をしようと示唆しましたが、桜井さんの瑣末な邪魔が入って思いは実りませんでした。全体を通して桜井さんの発言にはがっかりしました。理屈にもならない理屈が多かったように思います。いや、理屈だけの人なのでしょうか。

女房ともども、今まで見てしまったのは、ある高齢者の発言に感動したからです。
その人は、盛り上がっている議論に水をさすかもしれないといいながら、私の戦友たちは決して喜んで死んでいってはいない。そして彼らは靖国などで英霊として祀られることを望んでなどはいないと思う。ただただ、二度とこんな無意味な戦争で死ななければいけない人が出てこないことを願っていると思う、と言うようなことを、もっと感情を込めて、感動的な表現で語ってくれました。涙が出ました。残念ながら、その発言は発展させられませんでした。とても残念です。

それにしても、死者の視点が全くない議論にはいつものことながら哀しい気分がします。

この番組を見ていると、何かとても暗い気分になってしまうので、ニュースが入ったので見るのをやめてしまいました。
この番組は、もしかしたら軍国化に向けてのNHK戦略の一つかもしれません。あるいは小泉内閣への応援歌かもしれません。私もすっかり乗せられてしまったのかもしれません。
選挙はきっと小泉圧勝ですね。これだけのメディア動員力があれば国民はだまされてしまうでしょう。

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コメント

 反対派は新党を作って民主の保守派と組むことを将来の方向性にするしかないでしょうな。

投稿: 砂上 | 2005/08/16 06:33

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