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2005/08/30

■あなたは仕事が楽しいですか 

昨日の新聞に「残業と心の健康の関係」に関するアンケート調査(社会経済生産性本部メンタルヘルス研究所)の結果が報告されていました。それによると、残業時間が月60時間を超すと自殺を考える人が急増するのだそうです。「死にたいと思うことがよくある」と答えた人が6%もいるそうです。80時間を超すと7%以上になります。
いくつかの示唆が得られますが、私がまず思ったのが「仕事の質」です。労働時間が増えることで自殺したくなるような仕事とは一体なんでしょうか。

私は、基本的に仕事(労働でもいいですが)は本来ワクワクする楽しいものだと思っています。誰かの役に立つことであり、価値を創る行為が楽しくないわけはありません。もちろん辛いことはあるでしょうが、シドニーオリンピックのマラソンで優勝した高橋選手が「楽しい42キロでした」と言ったように、辛さは楽しさの要素にもなりえます。
しかし、最近は仕事が楽しくないようです。
講演などで、皆さんは仕事が楽しいですか、と質問してもほとんどの人は手を上げません。なぜ楽しくなくなったのか。理由は仕事の手応えがなくなったからです。つまり仕事が作業になってしまっているのです。しかも、その作業の意義がわからないどころか、納得できないことも多くなっています。
楽しくない仕事がいい成果を生み出すはずはありません。仕事は辛いもので楽しいものではない、などと自己否定する哀れな経営者や管理者もいますが、そういう会社は決して発展はしないでしょう。もししているとしたら、そのしわ寄せは従業員が受けています。そのためか、企業内でのメンタルヘルスが大きな話題になっています。

昨日、次世代人材育成研究会がありました。ニート問題に関連して、企業の経営者の方たちから企業内でのメンタルヘルス問題の深刻さの話が出ました。メンタルヘルス問題を抱えている企業経営者は大いに恥じてほしいですが、なぜかみんな他人事で話します。自らもおそらく病んでいるからでしょう。また横道に行きそうです。反省。

仕事を見つけられずに精神的に病んでしまう人がいます。その一方で、仕事がたくさんあるのに病んでしまう人がいる。これをどう考えるべきでしょうか。
それはたぶん「仕事」のあり方が間違っているのです。価値のない仕事や人間のリズムに合わない仕事が多くなりすぎているのです。
ディーセントワークという言葉があります。ILOなどで話題になってきている言葉です。「尊厳ある仕事」などと訳されていますが、平たく言えば、仕事の質を考えていこうと言うことです。
働くことの喜びが失われた社会はどこかに問題があるはずです。
あなたは仕事が楽しいですか?

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コメント

 これまでもそしてこれからも、仕事が楽しいという人はせいぜい二割、八割がたはたまたまそうなった、とか仕方ない、諦めの境地が『普通』だと思います。あまりに特別な人々と付き合いすぎているのではないでしょうか。

投稿: 砂上 | 2005/08/30 13:50

砂上さん

そうした「常識」から解放されたいと思っています。
楽しさにはいろいろあります。
どんな仕事にも楽しさ食みつけられると思います。
あるいは見つけようという姿勢が大切だと思います。

問題を変えると、
「あなたは人生が楽しいですか?」
となると思いますが、
楽しくないから人生をやめるという発想を否定したいと思います。

私の周りでは、仕事を楽しいと思っている人が多いかどうかはわかりません。
私もすべての仕事が楽しいわけではありません。
したくない仕事はたくさんあります。
しかし仕事を楽しもうと言う姿勢だけはいつも大切にしています。

投稿: 佐藤修 | 2005/08/31 21:59

 主観でなく実際に、悪に手を染めざるを得ない仕事が沢山ありますね。その場合人生をやめるという選択肢が義である場合もあるかも知れない。

投稿: 砂上 | 2005/09/01 23:45

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