■箱根の観光客としての怒りと迷い
昨日、仕事の関係で箱根の強羅に行きました。
小田急の特急で新宿から箱根湯本まで1時間20分です。
会場のホテルは、そこから登山鉄道とケーブルカーに乗って行かなければいけません。
論理的には2時間もあればいけるはずです。ところがそうはなりません。
箱根湯本で小田急から箱根登山鉄道に乗り換えるのですが、同じ駅に発着するのに到着時間と発車時間が同じなのです。つまり乗り換えられないと言うことです。これは「いじわる」としかいえません。そこで20分の待ち時間が発生します。
次は強羅駅でケーブルに乗り換えですが、ここでもまた見事に20分近く待ち時間があります。それぞれが1時間に2~3本しか運行されていないのですから、接続をうまく考えればいいと思うのですが、ここでも「意地悪」が行われており、20分の待ち時間です。信じられない仕組みです。
これは一つの象徴的な事象です。
私は箱根が好きで、年に数回、行きます。しかし、自動車でいけばともかく、公共交通機関を使うとこうした「意地悪な仕組み」が箱根にはたくさんあるのです。箱根が廃れていくのは良く分かります。
ここでは2つの会社が交通機関を提供していますが、それぞれが勝手にやっていますから、観光客には不便で分かりにくいことが多いのです。両者の話し合いが進められているようですが、ほとんど改善されないままにあります。
ここに象徴されるように、関係者がみんなで箱根を気持ちの良い場所にしたいという思いがないのでしょうか。ショップや施設も、みんなばらばらで雰囲気がありません。一つひとつの施設はいいものがたくさんあるのですが、つながっていないのです。
こうした事例は日本各地にあります。
と、ここまで書いてきて、一つの悩みにぶつかります。
20分待たされることがなぜ悪いのか、です。
無駄な時間を切り捨てていったら、それこそ息が詰まる世界になってしまうのではないか。
あえて接続させていないのは、そうしたメッセージをこめた「親切な仕組み」なのではないか。
皆さんはどう思われますか。
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コメント
箱根登山鉄道の始発駅は、小田原です。
ロマンスカーも、実は小田原から箱根湯本を経由して強羅まで、同じ会社(小田急系の箱根登山鉄道)の経営です。
西武の堤、小田急の親会社の東急の五島、両総帥の箱根戦争は、有名ですが、佐藤さんの怒られた乗り継ぎの悪さは、箱根戦争の産物ではなく、箱根湯本商店街の強い要請の結果だと聞いています。
現に建設中の有料道路も、箱根湯本の商店街の反対でそこだけ、一度降りなけばならない形になっています。
さて、箱根の魅力が薄れてきたのは、よく聞きますが、その原因は、企業間競争でしょうか。
それとも、商店街でしょうか。
ひょっとしたら、箱根をのんびり楽しむゆとりを失ってきたことかもしれませんよ。
投稿: 坂谷信雄 | 2005/10/16 22:00