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2005/12/21

■診療報酬改定も財政問題発想でいいのでしょうか

来年度の診療報酬改定は中央社会保険医療協議会の不祥事事件の影響もあって、内閣主導で行われたようです。そして小泉首相のイニシアティブで過去最大のマイナス3.16%で決着したそうです。これをどう評価すべきか、私にはあまり確信はもてませんが、いくつかの点でとても大きな違和感を持ってしまいます。
中医協がしっかりと機能していないことに先ず危機感を感じます。不祥事を契機に仕組みの見直しを行うのが本筋でしょうが、どうもそうはならなかったようです。
それともつながるのですが、改定の発想が財政問題に立脚しているところに危惧を感じます。私たちの生命を預ける医療制度もまた、お金の問題が優先されるのが今の日本の社会です。これが最近の日本の政治のようです。一時期少しいい方向に進んでいたように思いますが、小泉首相が時計の針を大きく戻し、また金権政治・権力政治の旧体質に自民党を戻したように思います。一般の評価とは反対かもしれませんが、権力の集中は必ず金権政治を伴います。

私の友人の病院理事長が、日本では真面目に病院経営をしようと思うと赤字になる仕組みになっていると嘆いていたことがあります。事実、病院経営の大変さは家族が入院したりすると実感できます。医師や看護士に余裕がないのです。治る病気も治らないのではないかと思うほどです。そんな中でがんばっている医師や看護を見ているととても頭が下がります。
女房の関係でいつも感じることがあります。医療機器を使った診察は高価で、時に10万円を超えるのですが、医師に話をきちんと聴くときは、30分も丁寧に相談に乗ってもらっても数百円なのです。ここにも診療報酬体系のおかしさを感じます。これをこそ変えるべきでしょう。
民間の病院などでは、そのため不要な検査も増えているのではないかと思うこともあります。病院にかかっている私の友人の話を聞いていてそう思うことも少なくありません。
薬価もかなり不信感があります。20年前に少し医薬業界を調べたことがありますが、かなり危うい世界のように思いました。今もジェネリック薬品がよく話題になりますが、これも危ない世界だろうと思います。仕組みが悪いとしかいえません。
財政問題を解決するためにも、医療制度の内容をきちんと見直す必要があります。医療費削減が目的ではないのです。それに今回の改定による医療費国庫負担の削減は約2400億円だそうです。たった2400億円です。あえて「たった」と書きましたが、先のジェイコム事件では一瞬にして400億円の利益が出たことを考えれば、「たった」ともいいたくなります。

「患者さんと医療関係者には深い川があるが、相互理解が必要だ。医療の改善には国家財政の構造改革が不可欠。真実は現場にある」。これは栗橋病院の本田宏副院長が最近の講演で話された言葉です。ここで本田さんがお話されている構造改革と今回の診療報酬改定とはあまりに発想の視点が違うのです。
本田さんは私が敬服する医師ですが、本田さんが関わっている「医療制度研究会」のサイトをぜひご覧ください。

そこに本田さんの講演記録があります。スライドショーまで添付されています。ぜひご覧ください。考えさせられます。
私も医療制度や病院の問題をみんなで話し合うフォーラムを開催したいと思っています。その準備会の開催を予定しています。関心のある人がいたらぜひご連絡いただけませんか。一緒にやりませんか。

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