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2005/12/25

■小泉内閣は何か問題を解決したことがあるでしょうか

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表の横田滋さんが過労で入院されたそうです。
暇を弄んでいる小泉首相とは違って、問題を抱えている人たちはみんな大変です。
小泉首相がもう少し真面目に働いてくれれば、日本も変わるでしょうが、彼はきっと働く気などさらさらないのでしょう。
記者へのインタビューの回答で、それが伝わってきます。
誠意のある回答を、私は聞いたことがありません。

念のためにいえば、忙しくしていることと働くことは違います。
自治体の首長も同情したくなるくらいみんな忙しくしていますが、働いている人はそうはいません。
選挙対策も兼ねて、さまざまなイベントや行事に参加するのは、殿様や教祖の仕事ではあっても、自治体の責任者の使命ではありません。
イベントではお客様扱いされて、現実が見えなくなるのが関の山です。

北朝鮮の拉致事件に関しては、昨年の12月24日に政府は「迅速かつ誠意ある対応がなければ、厳しい対応をとらざるをえない」と制裁を予告しましたが、1年たった今もなお、制裁発動は出ていません。
つまり、北朝鮮の対応は、小泉内閣にとっては、「迅速かつ誠意ある対応」だということになるのでしょう。
そう考えれば私には納得できます。
両政府の行動は極めて類似しているからです。
小泉内閣の姿勢に関しては、CWSコモンズでも何回か書きましたが、最初からひどい言動を重ねています。
心ある人であれば、反旗を翻すと思いますが、心無き人が政界や財界、さらには言論界にこれほど多いとは思ってもいませんでした。

国民の安全を守る立場にある国家の意思と能力は、この事件に象徴されているといっていいでしょう。
国家は本当に国民の生活を守ってくれる存在なのでしょうか。

アスベスト問題や耐震偽装問題では国家はしっかりと対応しているではないかと思うかもしれませんが、そもそもこれらの事件には、おそらく政府や国会議員が少なからず加担しているのではないかと思います。
そのせいか、耐震偽装問題では、証人喚問さえも時間ばかりかかり、形式的ですし、強制捜査も相手が対策できるように十分な時間を与えています。おかしいと思いませんか。
さまざまな画策が行われたと思われても仕方がないと思います。
水俣事件の時の体質と何も変わっていないような気もします。

郵政民営化が実現したではないかとも言われそうですが、確かに権力者にとって都合のいい仕組みや時間軸の逆転はかなり実現したかもしれません。
制度をつくり、形を変えるのは簡単なことです。
しかし、生活者にとっては制度よりも現実です。

この1年、政府は拉致問題に関して国家としての役割を果たしたのでしょうか。
横田さんたちの無念さを思うと同時に、いつかは私自身も同じ経験をしかねないと不安になります。
「無知のベール」で考えると、拉致事件のような明快な問題に今の政府の不条理さが良く分かります。
「勝者」には決して理解できないことでしょうが。

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