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2005/12/23

■ウォーキングバスの発想

昨日、イギリスで行われている「ウォーキングバス」をテレビが紹介していました。
ご覧になった方もあると思いますが、イギリスでも子どもを狙った事件が発生しているため、親から子供の安全についての心配が学校に寄せられ、それが契機になって、すぐに親、学校、自治体の3者で会議が持たれ、「ウォーキングバス(歩くバス)」の導入が決まったのだそうです。そして全国に広がりだしているというのです。
「ウォーキングバス」はこんな形で「運行?」されています。
朝の8時半、小学生の登校時間。乗客の子供たちと運転手の親が始発の場所から出発します。つまり一緒に歩くのです。ルールは全員が周囲に目立つ明るい色のベストを着用すること。そして、バスの停留所のように、通学路の途中で次々と子供たちが「歩くバス」に乗り込んできます。こうして子供たちは、より安全に学校までたどり着くことができるというわけです。
ちなみに、ベストの費用などは地元のお店が負担したりしているようです。企業もまた協力しているのです。

日本での取り組みと大きく違うのは、楽しさの要素が見事に組み込まれていることです。子どもの目線にたった発想と言ってもいいかもしれません。日英の「教育観」や教育行政の姿勢の違いも明らかです。
日本では、企業も行政も学校も責任回避しあって、結局は子どもたちにしわ寄せし、「大人を信ずるな」と教え込んで、子どもの「自己責任」の問題にしているのです。そうした教育の中で「真面目に」育った結果の一つが「姉葉さん」なのかもしれません。

「ウォーキングバス」の発想は介護や福祉にも大切なことです。
介護や福祉は楽しく解決しなければいけません。その方策を考えることこそが、私たちの知恵です。ケアする人をケアする前に、ケアをケアすることが必要なのかもしれません。

それにしても「ウォーキングバス」は素晴らしい方法だと思いますが、日本でもどこかでやっているところはあるのでしょうか。
ご存知の方がいたら、教えてくれませんか。

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教育時評」カテゴリの記事

コメント

幼稚園時代、集団登園ってのがありました。
車掌は親ではなく先生でしたが、園服を来て近所の友達、お兄さんお姉さんと楽しくおしゃべりしながら登園したものです。良くケンカもして怒られましたが(笑)。
どうしたことか、最近はめっきり見ないですね。
のきなみバスになってしまったからでしょうか。
幼稚園も距離ではなくカリキュラム(?)で選ぶことが多くなってきたからかもしれませんが、歩くことそのものから学ぶことも多かったように思います。
灰谷健次郎の小説にもありましたが、車に乗っていては見えないものがあまりにも多いのです。
道端に咲く花、虫、近所の人の顔、歩行者にとっての車の怖さ。
ウォーキングバス、私もいいアイディアだと思います。

投稿: おおむら | 2005/12/24 02:03

大村さん
ありがとうございます。

>歩くことそのものから学ぶことも多かったように思います。

そうですね。
私もそう思います。

最近集団登校は増えているようですが、
みんなあんまり楽しそうではありません。
楽しみ方が変ってきているのでしょうか。

投稿: 佐藤修 | 2005/12/24 07:41

こんにちわ。
私は、群馬県前橋市の児童遊園
「るなぱあく」の
赤い木馬と申します。

ホームページで
こちらのブログを紹介させていただきましたので
ご報告いたします。

前橋市内では、すでにいくつかの公立小学校で
ウオーキングバスが実施されています。

「るなぱあく」は、この春から
NPO法人波宜亭倶楽部が
指定管理者となって管理運営を行っています。

ホームページでは
単に遊園地の紹介だけでなく
広く子育て支援ができるサイトを目指しております。

よければ一度、お立ち寄り下さい。

投稿: 赤い木馬 | 2006/04/21 16:07

赤い木馬さん
前橋市の情報、ありがとうございました。
やはりもう動きはいろいろあるのですね。

それもさることながら、
「るなぱあく」の活動もとても刺激を受けました。

私も子育ち学ネットワークや保育園などにささやかに関わっていますので、またそういう仲間にもぜひ紹介したいと思います。

またいろいろと情報交換もさせてください。


投稿: 佐藤修 | 2006/04/21 21:53

僕も小学校の頃はやってました。
賛成ではあるのですが、何らかの効果を得られる気はあまりしません。集団下校したがために列ごと車に突っ込まれて二人死亡数人負傷なんて事故も地元であったりしましたし。

ちなみに幼稚園のときはバスでしたね。園児に毎日1㌔往復はきついですし。
そのバスに酔った状態で30分揺られ続けたせいもあってか、自分の幼稚園での思い出はあまりいいものがありません…


管理人様に質問があります。
このブログはどういう意図を以って運営していらっしゃるのか出来るだけ詳しく自分に教えて下さらないでしょうか。
どうか、お願いします。

投稿: くらめ | 2008/02/05 04:39

ウォーキングバスの効用は、記事にも書きましたが、さまざまな意味を持っていると思います。単なる安全対策だけではないように思います。学ぶことはいろいろありそうです。

このブログの意図は、自分の気分を書きとめるだけです。
プロフィールのところなどにも書いていると思いますが、思いついたことをできるだけ素直に書いておこうと考えているだけです。
それが何の役に立つかなどは考えていません。
ですから説明するほどのものがないのです。
気楽な公開日記くらいに受け止めてください。

今は休会していますが、私のオフィスでやっているサロンと同じ気持ちです。
サロンは4月から再開します。

投稿: 佐藤修 | 2008/02/05 13:30

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