■悪徳リフォームビジネスと健全なビジネスの違い
昨日、テレビで悪徳リフォーム業者の特集番組をやっていました。
独居老人住宅を市場にして不要なリフォームをさせてしまうビジネスです。テレビでは悪徳リフォーム業界と呼んでいました。1000人を越える被害者の被害総額は100億円以上だそうです。弁護士たちがチームを組んで、払い込んだ金額を回収する裁判を起こそうと呼びかけても、ほとんどの被害者は参加しないといいます。被害者はむしろ自らを責めるだけで、加害者を攻める方向に言動が向かないのです。不思議な話ですが、人を信頼して裏切られた人にとっては、裁判もまた信頼できないのでしょうか。わかるような気がします。
こうしたビジネスは、日本でもなぜかかなり放置されています。社会の基準が私の感覚とは大きく違います。もっと厳しく取り締まるべきだと思いますが、警察も行政もかなり野放しです。
ここにも考えるべき問題がたくさんありますが、今回考えたのは別の話です。
悪徳業者と健全な業者との違いは何でしょうか。頭で考えればすぐわかります。嘘をつくかどうかです。
しかし、たとえば薬効が確実でないサプリメントや薬の製造販売する企業はどうでしょうか。無害無益な小麦粉も効用があると聞かされて飲めば病気を治すこともあるといいます。
高価なブランド品の効用とは何でしょうか。偽物ブランドでも気づかずに満足している場合はどうなるのでしょうか。
ピカソの絵だと信じて毎日その前で感激していた人は、その絵が贋作だとわかったらもう感激しなくなるでしょうか。たぶんなるのでしょうね。私はならないと思いますが、自信はありません。
今回の耐震偽装は、程度があまりにもひどいですが、そこまでひどくない場合はどうなるでしょうか。すべて悪徳商法というべきでしょうか。ほとんどすべての建築物がどこかに嘘を含んでいると思うのは私の誤解でしょうか。いや、家だけではありません。工業時代の商品とはそういうものだと私は思っています。
それに、嘘をつくのが悪徳商法であるとしたら、テレビなどは悪徳商法の常連かもしれません。
さて、悪徳商法とは何かを考えていくと、なにやら今の産業そのものに、その遠因が埋め込まれているような気がしてきました。そうだとしたら、社会の基準に合わない私の感覚に問題があるのでしょうね。住みにくい時代です。
嘘を平気でつく首相を選んでいる国ですから、まあ日本は悪徳社会がはびこっているのでしょうが、それをもっと自覚しなければいけませんね。
人を信ずるということがリアリズムだった時代は終わったのでしょうか。
いやそんなはずはないですよね。
支離滅裂な文章で、すみません。
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コメント
羽越線事故で多数の死者が出たことは確かに大いに悲しいことですが、鉄道事故はマスコミで大きくとりあげられ、毎日20人ほどの死者を出している自動車事故のことに根本的に立ち向かわない行政とマスコミに欺瞞を感じてなりません。新聞や民法にクルマの広告が氾濫していることとも関係ありそうです。
投稿: rekishi-huukei | 2005/12/28 21:39
あいかわらずのご活躍、そして、
お人柄がしのばれるBLOG。
負けました!!!!
笑い。
どうか、お元気で、
投稿: 木村幸男 | 2006/01/01 21:31
rekishi-huukei さん
反応が遅くなりました。
すみません。
同感です。自動車事故問題はもっと真剣に取り組むべきですし、厳罰に模すべきです。簡単なことですが、まずは自分の責任で殺傷事故を起こした場合は、原則として免許停止にすべきだと思います。飲酒運転も同様です。それだけでかなりの事故は減らせます。
また自動車会社は利益の10%は事故対策と遺族支援に提供すべきです。それもせずに、」何が社会貢献だ、CSRだです。
投稿: 佐藤修 | 2006/01/02 21:42
木村さん
ありがとうございます。
なかなかお会いできませんが、
こんなことばかりやっているので、
集まりにもなかなか参加できません。
まあ時々のぞいてください。
投稿: 佐藤修 | 2006/01/02 21:45