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2005/12/18

■「あなたの暮らしがよくなれば、それだけ石油の消費量が多くなる

「あなたの暮らしがよくなれば、それだけ石油の消費量が多くなる」。
1949年エッソが出した雑誌広告のコピーです。
科学技術をベースとした工業化の進展は、まさにエッソの指摘通り石油消費量を激増させました。
工業化の度合いが文化の「発展度」を測る指標にさえ使われ、地球あげての工業化競争が繰り広げられたのはそう遠い昔の話ではありません。
いや、今なおその延長にあるといってもいいでしょう。

このエッソのメッセージの逆、「石油の消費量が多くなれば、それだけあなたの暮らしはよくなる」は成り立つでしょうか。
微妙です。
しかし、現実は、「石油消費量の増加によって成り立っている豊かさ」の上に私たちは生活しています。
さらにいえば、石油消費量の増加はごみの増大とつながってもいます。
一昨日からの議論の延長を今日も続けます。

工業化は石油消費量を増やしただけではありません。
もしかしたら「ごみ」という概念、とりわけ産業廃棄物という概念は工業化によって生まれた概念かもしれません。

日本の古来の農業にはたぶん「ごみ」概念はなかったと思います。
そういえば、こんな話も最近何かで見聞しました。
日本の農業では野菜を食べる虫たちもまた食材だった、野菜と一緒に食べれば貴重な栄養源になった、というのです。
私の読み違い、聞き違いかもしれませんが、納得できる話です。
つまり昔の農業においては、害虫という概念がなかったというのです。
害虫もまた工業化が生み出した概念かもしれません。

工業化は多様化の発想を嫌います。
多様な存在を前提にしては効率化や管理化が進みにくいからです。
しかし、まさにそこから問題は発生します。
ドイツでは基本法を見直すことから、廃棄物(ごみ)の概念をなくそうという発想が生まれてきているようです。
そろそろ私たちは工業化発想の呪縛から抜けださないといけないようです。

さて、今の日本のコピーライターなら、次のように言うかもしれません。
「あなたの暮らしがよくなれば、それだけ石油の消費量が少なくなる」。
スローライフ、エコライフが目指している生活は資源節約型といっていいでしょう。
あなたの生活にはどのくらいのごみが随伴しているでしょうか。
私の場合、ものすごく多いです。少しずつ減らす努力はしているのですが。

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