■日本橋の上の高速道路
以前、CWSコモンズのほうに書いたことがありますが、日本がおかしくなりだしたのは東京の日本橋の上に高速道路を通してからではないかと私は思っています。それ以来、私は首都圏在住で「都市計画」や「都市景観」を語る人を信頼するのをやめました。まあ、かなり極端ですが、日本橋の上の高速道路を放置しておいて、何が都市計画だと思わざるを得ません。
これも15年ほど前の話ですが、デザイナーの集まりに呼ばれて、そこで、日本橋上の高速道路に異議申し立ての運動を起こさずに、みなさんは美を語れますか、と発言してしまったことがあります。まあ、かなりの顰蹙を買ったのだろうと思いますが(以来、そこからは呼ばれなくなりました)、その暴言が契機になって、今も付き合いのあるデザイナーにも出会えたので、それはそれでよかったですが。
ところで、ようやくその日本橋の上の高速道路の撤去が話題になりだしました。
何とそのきっかけは、小泉首相の発言のようです。
私は何回も書いているように、小泉首相には知性や誠意を微塵も感じないのですが、この発言には共感しました。人間はだれでも1回くらいは価値ある発言をするものです。この問題はぜひとも実現してほしいです。
しかし、その一方で、権力者が発言すると急に動き出す昨今の日本社会には大きな不安も感じます。言いかえれば、誰も仕事をしていないということかもしれません。耐震偽装事件で、検査機関や行政が仕事をしていないことが露呈しましたが、作業はしても仕事をしないのが今様の生き方なのでしょうか。仕事は与えられるものではなく、創りだすものと考えている私には、とても理解できません。
日本橋からは、西を向けば富士山が、北を向けば筑波山が見えたそうですが、今はどちらも見えません。残念ですが、せめて青空くらいは見えるようにしてほしいものです。
一昨日、東京から富士山が良く見えたという、ある人のブログを読んで、高速道路の話を思い出しました。再開発の最初に取り組むべき課題だったと思うのですが、それはともかく、日本橋をふさぐ高速道路がなくなることはとてもうれしいです。
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