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2006/01/06

■運命を変える一瞬

一瞬のあやまちが取り戻せなくなることがあります。
危機に直面した時であれば、それはいつの時代にもあったことです。
しかし、電子機器が生活に組み込まれてくると、機械の時間感覚と生命の時間感覚の違いのなかでそうした落とし穴が日常化してきます。
昨年起こった株式売却の誤動作による400億円の損失はまさに一瞬の誤動作の結果です。単なる可能性とはいえ、一瞬の誤動作が核戦争を引き起こす可能性もゼロではないでしょう。医療ミスもそういう側面もあるかもしれません。

実は昨夜、私にも不幸な一瞬のミスがありました。
電子メールのアドレス帳が混乱していたのですが、これを昨年末から時間をかけて整理してきました。昨年は2回もパソコンがダウンしたため、ただでさえ多いアドレス帳の重複や未修正などに取り組んだのですが、どうもやり方がわかりません。そこで今年度の年賀メールをベースに重複を削除し、最新のものを選択する作業を時間をかけてやってきました。2,000を越えるアドレスが混乱しているのでそう簡単ではありません。もしかしたら簡単な整理方法があるのでしょうが。
そして昨日、ほぼ作業が完了しました。ところが、その後、最後に間違って、これまでのアドレス帳ではなく新たに編集した部分を削除するところをクリックしてしまいました。削除に時間がかかっているのでおかしいなと思って気づいたのですが、その作業をどうすればとめられるかがわかりません。慌てているうちに作業終了。回復不能です。
新年早々、なんとまあ不幸な話でしょうか。

結果として、アドレス帳はさらに混乱し、かなりの欠落が出てしまいました。調べてみたら、わが家族のアドレスもすべて消去されてしまっていました。また半年は混乱が続きそうです。
皆さんにはご迷惑をおかけすることがまだありそうです。すみません。

まあ、つまらない体験を書きましたが、一瞬の誤動作が運命を決めるという日常生活は精神的によくないですね。私たちの生活はそうした状況の中に乗っかっています。自動車事故も一瞬の誤動作で起こります。あまり意識はしていないでしょうが。
それは逆に言えば、人間の能力が極度に増幅されているということなのですが、マン・マシン・システム全体として考えると大きな問題です。不完全なシステムといえると思います。しわ寄せは常に現場の人間に来ます。
科学技術によって、人間の可能性が大きく開かれてきたといわれますが、人間にとって科学技術とは一体何なのでしょうか。

今年はそうした問題を視野に置きながら、技術者の倫理を社会の視点で考えるテーマに取り組みたいと思っています。その準備会を昨年から少しずつ進めていますが、もし読者の中に関心を持っていただける方がいたら、仲間になってくれませんか。
ご連絡いただければうれしいです。
知恵と汗と資金を求めています。もちろん一番は「思い」ですが。

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