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2006/01/15

■コラテラル・ダメッジへの不感症

アルカイダのナンバー2のアイマン・ザワヒリ氏がパキスタンで米国の爆撃を受けて死亡したかもしれないというニュースが昨日流れました。
その爆撃で民間人を含む20人近くの人が死亡したということです。
しかし、翌日になって、ザワヒリ氏は死亡者の中にはいなかったと発表されました。
テレビでも報じられていましたが、とても気になるニュースです。

まず、いずれのメディアも「ザワヒリ容疑者」と表現しています。
確かに彼は一連の国際テロのへの関連が濃厚ですから、まさに容疑者なのかもしれませんが、その言葉で、彼を襲撃することが正当化されてしまっているようで怖いです。
いうまでもありませんが、容疑者はあくまでも容疑者です。
爆撃での殺傷が正当化されるとは思えません。
しかし、9.11事件の後、私たちはそうした過剰対応に馴染んできてしまったように思います。
そのせいで殺された無実の人の数はどのくらいいるでしょうか。

そして、それに重なりますが、その襲撃で10数名の民間人が殺傷されているということです。
いわゆる「コラテラル・ダメッジ」です。
これについては数年前にCWSコモンズで書いたことがあります。
http://homepage2.nifty.com/CWS/katudoubannku2.htm#1013

容疑者になること、容疑者として裁きを受けずに殺されること、その巻き添えになること。
これらはいつ私の身に起こってもおかしくないことです。もちろんあなたの身にも、です。
実にやりきれない時代です。
しかし、多くの人はまさか自らがコラテラル・ダメッジの対象になろうとは想像しないでしょう。
むしろ自らの利益を守るためのコラテラル・ダメッジだと考えがちです。
それに、想像力の広がりは多くの場合、自らに都合のいい方向にしか広がりませんし、不幸と無縁に生きてきた人には思いもよらないことかもしれません。

人間をもコラテラル・ダメッジの対象にしてしまう社会は、やはり変えていかなくてはいけません。
どうしたら変えていけるのか、難しい問題ですが、私たちはどうもコラテラル・ダメッジに対して感覚を麻痺させてきているようにも思います。
自らを生贄に奉げる覚悟があれば別ですが、そうでないのであれば、やはりここは真剣に考えるべき時期ではないかと思います。

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