■「日本はもうどうしようもないところに向かっていると思いませんか?」
知人の国会議員(民主党)からメールが来ました。
「佐藤さん、日本はもうどうしようもないところに向かっていると思いませんか?」
しばし唖然としました。
この人はとてもいい活動をしている誠意ある議員です。
見識も行動力もありますし、平和に向けての実践にも取り組んでいます。
しかし、議員がこんな風に言っていいものでしょうか。
まあ思いは良くわかるのですが。
社会に失望していると思われるメッセージはたくさんの方からもらいました。
年賀メールのいくつかを紹介します。
・戦後世界が完膚なきまでに終わった。それが元旦の所感です。
・日本の衆愚政治は、ますます昏迷を深めて行く事は、読解能力の低下にも見ることができます。教育が根底から崩壊しているのです。
・目のまえにいる困窮する人を黙殺し、私利私欲を貪る国は、国の名に値しません。
・日本の全体主義に抗して、国家を考えるべき時です。
・社会のリーダーによる基本的なモラルの問題が続きました。昔がよかったとは言いたくありませんし、規制緩和、体制改革も必要ですが、基になる社会、国家に信頼性が低い状態は、不幸に思います。
・世の中、利権の奪い合いで、公共の立場にある人たちが利権が大きいだけにその筆頭になっていることが見えます。
そして、国会議員の上記の発言です。
私のブログを読んでくれていたら、私にこんなメールは寄こさないでしょうが、
それ以上にもっと国民の現場に触れてもらえれば、あるいは若者の世界に触れてもらえれば、
今頃こんな発言をするはずはありません。
誤解があるといけませんが、私はこの人を信頼しています。
民主党を離党してほしいと思いますが(民主党の解体を勧めましたが)、
それはともかく、この議員は本気で日本を良くしようと取り組んでいるはずです。
その人ですら、意識はこの程度だということに唖然としたのです。
「どうしようもないところ」とは当事者の言葉ではありません。
私ですら、使うのを躊躇します。
もっと実践的な行動が起こせないものなのか。国会議員は起こせるはずです。
生活者はどうするでしょうか。
たとえば、ある人は、
・近時の世相から厭世観が嵩じ、世事は最小限に止め、もっぱらテニスや囲碁など趣味の世界に慰みを求めております。
といいます。高齢者の多くは、こういう姿勢だと思います。
若者は違います。ある若者は、
・ますます資本に牛耳られていく世の中に、少しばかり刃向かいながら、心の豊かさとは何かを考えていきたいと思います。
と書いてきました。
こういう若者が増えているのが希望です。
国政が時代の方向を決めています。
もしそれを止めたいのであれば、党利党略などは捨てて、野党は大同団結して動かなければいけません。
しかし、小さな私欲の中で、歴史観もないまま、二大政党などと時代遅れのことを言っているのが国会議員です。
二大政党についてもう少し勉強してもらいたいと思います。
「どうしようもないところ」とは一体何なのか。
もしそうであれば、そうならないように、それぞれでできることに取り組みたいと思います。
この議員にもう一度、メールをしてみようと思います。
「どうしようもない」のは国会であって、日本ではないのかもしれませんし。
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コメント
補足です。
国会議員の知人から「どうしようもないところ」の説明が届きました。
以下の通りです。
簡単に言えば、自己崩壊的な部分と、アメリカ+西欧社会が計画的に破壊している部分と世界全体が崩壊過程にあることの複合的な問題だと思いますね。
投稿: 佐藤修 | 2006/01/03 09:36