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2006/01/23

■雪がくれたコミュニティ

私が住んでいる千葉県の我孫子市も雪が15センチほど積もりました。
一面の銀世界で、いつもとは全く違った風景でした。
それに加えて、もう一つの風景も出現しました。
近隣の人たちが道の雪かきで一緒に汗を流す風景です。
私の住んでいるところでは、2歳の子どもから60代まで、みんなで雪かきに汗をかき、午前中で道から雪が消えました。子どもたちは結構楽しそうでしたし、私も久しぶりに近隣の人たちと話ができました。
こうした「にわかコミュニティ」がきっと各地で生まれたのだろうと思います、
雪の恵みです。自然の摂理はすごいです。

日本でのコミュニティ意識の変化の契機は、阪神淡路の大震災だとよく言われます。
何か困ったことがあると、人のつながりが生まれ、その大切さがわかります。雪が積もって、道が通れなくなるという、みんなにとっての共通の課題が、みんなをつなげてくれたのです。
しかも、雪かきなどの仕事では、参加者はそれぞれの役割を見つけやすいです。たとえ2歳の子どもでも、場の和やかさを生み出すなどの役割がきっちりとあります。誰もが主役のコミュニティが実現できます。
昔はこうした課題がたくさんありました。
ですから、近隣社会はひとつのコミュニティ、つまり人のつながりになっていたのです。
しかし、最近は近隣と問題を共有化する機会は多くはありません。
もちろん実際にはいろいろとあるのですが、それを無視しても暮らしは困らないような仕組みが出来上がってしまったのです。困ったことがあれば、行政に苦情を言えばいいのです。会社に頼めばいいのです。住民同志の横のつながりは、なくてもやっていけるような気になっていました。そうして地域の付き合いは少なくなり、人のつながりに支えられた地域コミュニティは大きく変質しだしたのです。
その結果、何が変わったのか。

最近、マスコミを賑わせているさまざまな事件の根因が、ここにあるように思います。
雪のおかげで突然出現したコミュニティ。
雪が融けても持続できると社会は大きく変わるでしょうね。
いや、変えていかねばいけません。

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