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2006/02/08

■「パブリック」の責任

東横インの事件で同社の西田社長が連日テレビで批判され続けています。
弱いものいじめとしか思えないほどです。
おそろしい「いじめ社会」になってしまいました。
改めてテレビや新聞の暴力性を恐ろしく思います。
東横インは、一時はユニークな経営で話題になった会社です。良い時は持ち上げておいて、いったん、悪者になると寄ってたかって容赦なく追い詰めるのが日本のマスコミです。
記者会見の時の質問の言葉遣いなど、少しは良識を感じさせてほしいと思います。
その一方で首相へのインタビューは迎合的で卑しささえ感じます。
今のマスコミが権力に寄生しているのが良く見えてきます。
良い時は過剰に持ち上げ、悪くなるといじめつくすのが日本の文化かもしれません。
ライブドアも総研への対応も同じパターンでした。
そしていま、その象徴的な人物が国政のトップにいます。小泉首相ほど卑劣で狡猾な人物を私は見たことがありません。西田社長もかなり卑劣ではありますが、まあ底の浅さを感じさせる程度の狡猾さしかありません。
ところで、国民の半分が首相に拍手を送っているわけですが、私の価値観はよほど一般の常識から外れているのでしょうか。少し考え直さなければいけないかもしれません。
もっともたとえば田中首相は国民の英雄から一挙に犯罪者に落ちていったわけですから、人の評価はうつろいやすいものです。この国民にして、このマスコミかもしれません。

久しぶりにまた少しだけ気持ちを書いてしまいましたが、今日の問題は「パブリックの責任」です。
耐震偽装、ホリエモン、東横イン、これらに共通しているのは、民の暴走をチェックし、信頼性を維持するための「パブリックの機関」が自らのミッションを果たしていなかったことです。その問題は巧みに矛先回避され、マスコミもあまりつっこみません。そこにこそ、問題の黒幕がいると私は思っていますが、余りにも利害関係者が多いのでしょう。
しかし、関係者の多くは疑問と不信を持っていたはずですし、しかるべきパブリック機関(日本では官の機関というべきでしょうか)も万一知らなかったとしても(もしそうであればそれもまた職務怠慢ですが)、少し意識を持てばわかったはずです。情報も寄せられていたでしょう。
にもかかわらず、なぜ動かなかったか。あるいは反応できなかったのか。
私には理由はわかりませんが、似たような話はいわゆる開発途上国に良くあるように思います。
そこで動きを止めたり加速させたりする要素は、「賄賂」です。
日本には賄賂など存在しないと思いたいですが、あまりにも似すぎています。
そしてそこに必ずといいくらい、いつも政治家の姿がうわさに上がります。
「パブリックの責任」が果たされていない社会こそ、問題の本質です。
いや「パブリック」が存在しないことが問題なのかもしれません。

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「時速60キロ制限の道を67〜68キロで走ってもまあいいかと思っていた」 でマスコミの格好のえじきになった東横イン・西田社長。同社の場合,行った行為自体は取り返しがつくと思っていたのですが,7日の会見における同社長の発言は…なんかアイレディース宮殿黒川温泉ホテルとも重なる部分が。... [続きを読む]

受信: 2006/02/08 18:07

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