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2006/02/14

■企業の社会貢献活動と事業活動

企業に関わる残念な事件がまた頻発しています。
しかも、取りざたされる会社がいずれもとても社会活動に熱心な会社であることが気になります。
核開発に転用可能な3次元測定機の輸出で問題になっているミツトヨは、仏教伝道に地道な活動をしている会社です。
むしろ仏教伝道のために会社を設立したという歴史がある会社です。
生命保険違法販売で問題になっている損保ジャパンは、福祉活動を行う団体のNPO法人格取得を支援する活動をかなり早い時期からやってきました。
NPO支援の分野では実績のある会社です。
なぜそうした会社がこういう事件を犯してしまうのか。
これについては18年ほど前に日経産業新聞のコラムに書いたことがありますが、社会貢献活動と事業活動とのつながりがないことが最大の理由だと思います。
つながりがないばかりか、別の問題と捉えられています。
そもそも「社会貢献」などという言葉を何の疑問もなくつかっているところに、そうした理念のおかしさが象徴されているように思います。
この話も当事、経団連の社会貢献活動の研究会で企業の関係者に問題提起しましたが、全くと言っていいほど理解されませんでした。
彼らが本気で考えていないのが良くわかりました。
その事情は残念ながら20年近くたった今も、全く変わっていません。
当時、私が雑誌などに書いていた問題提起は、今読んでも通用してしまうのが哀しいです。
渋沢栄一は「片手に論語、片手にそろばん」といいましたが、それを統合する機能、つまり「経営」が多くの企業には不在なのです。
企業は、事業活動を通じてこそ社会に貢献しなければいけません。
いわゆる「社会貢献活動」は、そのための手段でしかありません。
それは社会貢献のためにするのではなく、社会を学ぶために行う社会活動なのです。
どんなに勉強ができても、どんなに金持ちでも、
社会性のない人とは友達になりたくないと普通は思うでしょう。
企業も同じことです。
社会性を磨くためにこそ、企業は社会活動をすることが必要なのです。
その認識がない企業の「社会貢献活動」が多すぎるのがとても残念です。

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