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2006/02/25

■豊かな社会の感受性

このブログを読んで下さっている滋賀の方から、たまにはもっと明るい話や感動話も書いてほしいとメールをもらいました。
以来、何とか見つけようと思っていたのですが、なかなかそうした話題にぶつかりませんでした。
ところが昨日、とてもいい話に触れることができました。
今日は予定を変えて、その話を紹介します。

読売新聞に紹介されていた福岡在住の西川義夫さんの話です。

西川さんは私が取り組んでいるコムケア活動の心強い仲間でもあります。
西川さんとは実はまだ2回しかお会いしたことがありませんが、年来の仲間のような気がする人です。
実にあたたかな人です。
西川さんは還暦を迎えた昨年から、毎月2回、第1第3日曜日の午後、福岡市の天神中央公園で1時間のハーモニカのストリートライブを続けています。
それが読売新聞で大きく取り上げられたのです。

その記事から少し要約引用させてもらいます。
西川さんは、6年前に原因不明の病気で指の自由がきかなくなってしまい、大好きだったピアノやギターが弾けなくなってしまいました。
その治療のために、転地療養に訪れた中国の奥地で、寂しさを紛らわそうと病室でハーモニカを吹いたら、いつしか窓の外に村人が集まりようになったのだそうです。

「言葉の通じない土地なのに、音楽を通して素朴な交流ができた。日本でも音楽の利器で、ばらばらな人間関係をつなぐことができるかもしれない」。

西川さんはそう思ったそうです。
そんな思いもあって、西川さんはハーモニカを始めました。
そして昨年からストリートライブを始めたのです。
現在のレパートリーは70曲だそうです。
西川さんの演奏は西川さんのホームページで聴くことができます

これだけでも十分にいい話なのですが、
私が感激したのは、その記事の最後に書かれていた西川さんの言葉です。

「ホームレスの人が私の全財産だと言って、100円をくれたときは、感激してその場でわんわん泣いてしまった。バラバラに見える都市にも人情が残っていることを知りました」

すごくうれしい話です。
ホームレスの人たちのやさしさも伝わってきます。
号泣してしまったという西川さんのやさしさも伝わってきます。
辛い境遇を体験した人のやさしさは、頭で考えているやさしさとは違います。
感受性がとても高いのです。

豊かな社会は、感受性を低下させてしまい、構成員からやさしさを奪ってしまうのかもしれません。
「勝ち組」「負け組み」という言葉がありますが、もしかしたらやさしさを基準にすれば、その関係は逆転するのかもしれません。
やさしさを奪われた勝ち組人生とやさしさに満ちた負け組み人生。
私はやはり後者を選びたいと思います。

その西川さんが中心になって、3月25日に福岡でつながりをテーマにしたコムケアフォーラムを開催してくれます。
私も参加させてもらいます。
もしよかったら、福岡界隈の人はご参加ください。
ハーモニカの演奏も聞かせてもらえるかもしれません。


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コメント

音楽の演奏には技術もさることながら、やはりその人の人間性がはっきりと表れるものだと思います。西川さんのハーモニカ演奏、是非生で聴いてみたいものです。

感受性は、僕が職業としている介護においても、最重要に求められる資質だと思います。どうやったら豊かにすることができるか?それを考え続けるだけでも、感受性は深く豊かになってゆく気がします。

投稿: sakakkie | 2006/02/25 23:28

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