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2006/03/01

■時間の配分で生き方が変わってきます

生活を基準にして考えると、解決すべき問題は3種類あります。
まず自分の暮らしに直接関わる問題です。
家族の問題や家計の問題です。もちろん自らの生命や健康の問題もあります。
自分が動かないと解決しない問題です。

次に自分の暮らしの周辺の人たちが抱えている問題。
自分とのつながりによって、その問題からの影響度は変わります。
全く無視することも可能ですが、その場合は友人を失い、自らの世界を狭める可能性はあります。

そしてもっと大きな範囲の平和や環境問題があります。
これはそれを損なうことをしても自らの暮らしに降りかかってくるマイナスは小さいですから、無視してもやっていけるかもしれません。

これらはきっちり分かれているわけではありませんし、状況によっては直接的なつながりも起こりえます。
そして、多かれ少なかれ自分の生活に影響を与えます。
しかし、時に平和や環境の問題にマイナスの働きかけをすることが、自分の暮らしに直接的にはプラスになることは少なくありません。
それらは必ずしも同じ方向を向いているわけではありませんし、正の相関があるわけでもありません。
そこに大きな問題があります。

これら3つの問題の解決に向けて、私たちはどういう優先順位で、どのくらいの時間を割いているでしょうか。

なにか抽象的な話を書き出しましたが、最近、自分の限られた時間と資源を、これら3つの問題解決にどのように配分すべきかを考えるようになってきました。
私自身の持ち時間の限界が見えてきたからかもしれません。
また「大きな福祉」を目指したコムケア活動に取り組んだおかげで、自分に問題を抱えている人ほど、周辺の人の問題への関心が強いことを知りました。
逆の言い方もできるかもしれません。
実は最近、「悠々自適」という言葉に疑問を持ち出しています。
単なる「ヒガミ」かもしれませんが。

問題解決に向けての時間と言う視点で考えるともっとわかりやすいでしょう。
自分の暮らしのための問題解決に向ける時間は「自分のための時間」です。
「自分」のなかには家族も入ります。人は一人で生きているわけではありませんから、私は、社会の基本単位である家族をいつも発想の出発点に置くようにしています。
周辺での問題解決に向ける時間は「仲間のための時間」です。
周辺や仲間の範囲は人によって全く違うでしょう。
そして最後の平和や環境は、「みんなのための時間」です。
もちろん「みんな」には自分も入っています。

どこにどのくらいの時間を割くか、また配分の優先順位はどうかで、生き方が決まってきますし、考え方も変わってきます。
その集合で、その社会の文化が決まってきます。

こうした視点から、いまの日本社会を見直してみるとさまざまな問題が見えてきます。
日本は経済大国になったといいますが、国民の多くは「自分のための時間」に多くをとられすぎて、仲間のためやみんなのための時間が割けなくなってきています。
言い方を変えれば、そうした生き方によって、経済発展してきたのです。
そして、今やそれが「自分の暮らし」を壊しだしているのです。
経済とは一体何なのか。その問題にぶつかります。

一挙に「みんなの問題」に時間を割くのは難しいかもしれませんが、
まずは隣の仲間の問題に割く時間を少しだけ増やしていければと思っています。

元気が無かった仲間の笑顔を見ると、本当に幸せになります。

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