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2006/03/08

■メールの暴力

知るのが遅かったのですが、経済産業省の消費経済部長が、「わかりやすい言葉で政策を伝えたい」と、役職と氏名を明示して開設したインターネットのブログが、3週間ほどで閉鎖に追い込まれたそうです。
「谷みどりの消費者情報」というブログです。
朝日新聞によれば、「谷さんはブログで、悪質な内職商法の問題など消費者関連の政策を紹介、経産省のホームページ(HP)への誘導を狙った。当初は好意的な書き込みが多く、読者との関係は良好だった」そうです。
しかし、いま話題の電気用品安全法に触れたところ、書き込みが殺到したのだそうです。それも悪意をこめたものです。
「その上、ブログの更新が執務中だったことが問題視され、部長は大臣官房から注意を受けた」とも報道されています。

私は電気用品安全法には異論もありますし、ネットで探して読んだいくつかの記事からは谷さんの考え方にはかなりの違和感があります。
しかし、考えが違うことはよく起こることです。
だから社会は豊かになりえるのです。

私が残念に思うのは、せっかく「役職と氏名を明示して開設した」ブログが、壊されていくことです。
実名でブログを開設することを、私は何よりも評価したいと思います。
勇気のいることです。きっと谷さんは書き込んだ後、どのような反応があるだろうかと毎回、胃を痛めていたことでしょう。
私は匿名の発言にはほとんど興味を持ちません。その人の生活の基盤がわかればこそ、メッセージは真実味を持ち、発言に責任をもつ姿勢があるからこそ、その真実性が伝わってくるからです。
実名で書いていた谷さんに拍手を送りたいです。それが崩されたのはとても残念です。
もうひとつ残念に思うのは、「わかりやすい言葉で政策を伝えたい」という行政の試みが失敗したことです。
わかりやすい言葉であるということは、だれでもが反論できる生きた生活用語だということです。実体のない多義的な(無意味なということです)政治用語ではないのです。だからこそ、おそらく暴力的な反論が寄せられたのでしょうが、谷さんの挑戦は行政としても真剣に考えてほしいものです。
行政はコミュニケーション活動や情報発信活動に莫大のお金を使っていますが、もしかしたら本当は真実を伝えないために、あるいは議論を起こさないために、あえて「伝わらないようにしている」と思えるほど、わかりにくい言葉を使っています。
そういう状況を苦々しく思っている私は、谷さんのブログの挑戦から学ぶことはたくさんあるだろうと思うのです。
この事件はとても大きな意味を持っている事件だと思います。
こうして社会は劣化していくのでしょうか。

それにしても、日本人は議論も下手だし、自分たちのメディアを育てていくことも下手ですね。
もちろん私もそうです。
私は議論が大好きなのですが、議論の仕方は極めて未熟なのです。
このブログを読まれている方はすでにお気づきだと思いますが。

ビッグイッシューに触らないようにしながら、もう少しこのブログを生きながらえさせたいと思っています。

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