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2006/04/06

■世評で動く社会

一昨日、環境や技術の関係の調査分析の仕事をされている方から聞いた話です。
アスベスト問題がマスコミを賑わせていた頃、その人は死にそうなほど忙しいでした。全国から分析や調査の仕事が舞い込み、社員は寝る暇も無いほど、てんてこ舞いだったようです。分析のための機材を新たに購入した同業者もいたようです。
その時期は、私たちの会にもいつも遅れて、っしかも疲労困憊の様子で参加されていました。
ところがです。
世間の話題が耐震偽装問題に行った途端に、アスベスト関係の仕事は潮が引くようになくなってきたというのです。わざわざ高価な機材を入れて、体制をつくった会社は大変でしょうね。
まさに、世評で動く社会の現実です。
結局、何も変わらないのかも知れません。
耐震偽装にしても、また次の問題が出れば、うやむやになってしまいかねません。
問題解決はうやむやになりますが、言葉は残ります。
たとえばダイオキシン。ごみ焼却場周辺や土壌汚染関係の世界では、いまだにダイオキシンの恐ろしさは残っています。最近のごみ焼却施設のダイオキシン対策は進んでいますから、大した問題ではないように思いますが(ゴミ問題にとってはもっと大きな問題がたくさんあります)、マスコミのあおった恐ろしいイメージは、簡単な図式としてみんなの頭には残っているのです。
不安を残しながら、その不安を新たに創出していくのが最近の日本社会かもしれません。
不安を高めることは、実は産業発展の原動力なのです。その最たるもののひとつが戦争ですが、不安は市場を生み出します。あるいは消費を促進します。そして、個々人の生活は管理されていくことになるわけです。
そうならないように、私たちは自らの判断力をもっと高めなければいけません。でもどうやったら、判断力が高まるのか、難しい問題です。
なにしろ考えなければいけない問題が多すぎます。
いい案はないでしょうか。

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