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2006/04/26

■告発のコストとプレゼント

耐震偽装事件の関係者が逮捕されだしました。
これほどの事件が、相変わらず「逮捕」予告に従って、しかも別件逮捕されるなどという現実に大きな違和感があります。私には茶番としか思えません。昨今の日本の防犯体制は崩壊しているのではないかと思いたくなるほどです。
要は、この分野にも責任逃れがはびこっているのでしょうか。
それは建築設計検査における責任放棄や責任逃れとつながっています。ですから、結局は、同じ穴の狢たちが犯罪を行い、犯罪を隠し、犯罪を裁いていると思えてなりません。権力は犯罪の巣窟ですから、それは当然のことかもしれませんが。
いずれにしろ、私には逮捕するほうも逮捕されるほうも、最近は同じに見えてしまいます。悪い言葉をつけば、みんな「雑魚」に見えてきます。巨悪は、その後ろで笑っているのでしょう。
まあ、しかし、そんなことを書いていると厭世気分がますます高まって、ブログをやめたくなりますし、人生もやめたくなりますので、話を換えましょう。
私が今回、考えさせられたのはイーホームズの藤田社長の逮捕とその会社の廃業決定です。
今回の偽装事件の発端は藤田さんの告発でした。雪印偽装牛肉を内部告発した西宮冷蔵の水野さんのことをどうしても思い出してしまいます。
昨夜のテレビでは、藤田さん逮捕への報道姿勢は局によってかなり違いました。
それもまた考えさせられました。
逮捕するほうもひどいですが、それを扱う報道機関もひどいものです。そしてその報道を見ている私たちもひどいのでしょう。寄って集って弱いものを蹴落とそうとしているのは、公園のホームレスを襲う高校生の姿そのものです。自らもまた、その仲間かと思うと嘔吐したい気分です。今日は仕事をする元気もなく、途中で帰宅してしまいました。こういう時に誰かに会うと、八つ当たりしかねません。はい。
それにしても告発者は冷たい目しか受けないようです。
犯罪を目撃しても、告発する人はこれからますます少なくなるでしょう。
内部告発に対する保護法ができていますが、これは保護法などとは言える代物ではなく、告発防止法のように思いますが、告発される可能性のある権力者たちがつくった法律ですから、それは当然のことです。
官のつくる法律は、あくまでも統治のためのものです。勘違いしてはいけません。

それにしても、告発のコストは高いものです。
経済的にも社会的にも、ほとんどすべてのものを失うことがほとんどかもしれません。

というのが、たぶん一般の人の発想でしょう。
昨夜、テレビで、筑紫哲也さんが藤田社長にインタビューしていましたが、筑紫さんの発想はまさにその典型でした。筑紫さんの思いが伝わってくるだけに、とても残念で、退屈なインタビューでした。

しかし、発想を変えれば、世界は変わってきます。
告発して多くのものを失った後に残るものは何なのでしょうか。
そこにこそ生きる意味と価値があるはずです。
藤田さんが、それをしっかりと手に入れることを祈っています。

少し性格は違いますが、私は47歳で会社を辞めました。
失ったものと得たものとのバランスは大きく黒字です。
人は何かを失うと、必ず何かを得るものです。
失ったものを基準に考えるのではなく、得たものを基準に考えると、世界はいつも輝いて見えてきます。
発想を変えましょう。

モバイルが壊れたために、ブログを書く時間がなくなり、それを契機にブログを休んでいましたが、藤田さんの発言に元気付けられて再開します。

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