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2006/06/30

■宮内義彦さんのコーポレートガバナンス論

宮内義彦オリックス会長が村上ファンドに絡んで話題の人になりだしています。
私は以前から宮内さんの資本重視のコーポレートガバナンス論には違和感をもっていましたので、少しだけホッとしています。
これで日本のコーポレートガバナンス論も少し方向転換してもらえればうれしいことです。
しかし、そうなるかどうかは楽観は出来ません。
根はもっと深いでしょうから。

彼らの論理からすれば、お金がお金を稼ぎ出すのは悪いことではないのです。
そもそも企業とは、あるいは行政機構とは資本家のものなのです。
金を持っている資本家がさらに金を増殖させていくための仕組みでしかないのです。

福井さんにしろ宮内さんにしろ、村上さんと同じ発想の持ち主ですから、
彼らの考える「志」とは、堀江さんや村上さんのような金銭重視主義です。
ですから、素直に村上さんのように、儲けたかった、といえばいいのではないかと思うわけです。
儲けて何が悪いなどと惨めな開き直りはいけませんが。

企業経営者のアカウンタビリティも宮内さんたちが盛んに言っていたことです。
しかし、自分の問題になると途端に口を閉じてしまうような、アカウンタビリティ論はいかにも残念です。
宮内さんにはせめて福井さんのような嘘はついてほしくないと思います。
危機管理の本質はフランクネスです。
人間は過ちを犯します。
志が高くても目の前にお金が積まれれば動揺します。
だから人間は魅力的なのです。

大切なのは過ちを犯すことではなく、それに気づいたときの対処の仕方です

みんな見ています。
社会に、とりわけ次世代を担う若者たちに与える影響は大きいです。
福井さんは間違いましたが、宮内さんには間違ってほしくないと思います。
まだ間に合うように思います。

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