■「もったいない」概念と「29日目の恐怖」
滋賀県知事選で嘉田さんが自民・公明・民主の支援を受けていた現職を破り当選したことが大きな波紋を呼んでいます。
もしかしたら「常識」が回復しだす、地殻変動の予兆かもしれません。
嘉田さんが旗印にした「もったいない」は生活用語です。
政治や産業の世界にはない言葉です。
昨今の日本の政治や産業は「もったいない」概念を否定するところに成り立っています。
「もったいない」概念を壊すことで産業は発展し、
「もったいない」概念から自由になることで政治は国民から支援をとりつけてきました。
その結果が、環境破壊であり、パンとサーカスの借金財政です。
もちろん、「もったいない」概念を基本においた政治も産業もあります。
おそらく日本江戸時代はその社会原理で展開されてきていたように思います。
この「事件」は様々な示唆を与えてくれています。
そこから何を読み取るかは人によって様々でしょう。
読み取る人たちの感受性が、日本の未来を決めていくでしょう。
ここ数日の新聞記事を読む限り、しかし事態はそう変わりそうもありません。
私が地殻変動の予兆を感じたことを年賀状に書き、雑誌の連載記事に書いてからでももう15年がたちましたが、ほとんど変わった気配はありません。
しかし、変わってきているのです。もはや予兆ではないのです。
最近、環境問題に絡んで「29日目の恐怖」という話が語られています。
私が子どもの頃、流行ったクイズと同じ話ですが、
「ある池のハスの葉が増え、1か月で池のすべてを覆い尽くしてしまったが、というヨーロッパの昔話です。
その前日の29日目、池の景色は特に普段と変わらなかった」
倍々で増えていくものは最終段階を迎える直前まで気づき難いということです。
もしかしたら、今は地殻変動の29日目かもしれません。
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コメント
滋賀県知事選挙の次は長野県知事選挙です。7月20日告示、8月6日投票です。
財政再建のために公共事業を始め多くの事業を削減してきた田中知事と昔に戻したい勢力(村井仁前自民党代議士が立候補予定)の一騎打ちです。
長野は、ようやく借金が減りつつあります。この流れを止めないためにも、田中知事に頑張っていただく必要があります。
投稿: 久保田謙三 | 2006/07/08 12:15