■言葉と文字の持つ意味
印刷の普及が出版物を増やし、それが「国語」を形成し、ナショナリズムを勃興させたという説があります。とても納得できる主張です。
ホンダはかつて企業を活性化させるためにKT法というのを導入し、トップから現場の従業員まですべてこの研修を受けて、社内の言語をそろえたといいます。
バベルの塔の崩壊は、天を目指す人間をとどめるために、神様が人々にたくさんの言語体系を与えて、コミュニケーションできなくさせたからだといいます。
女房は郷里に戻ると方言を使い出しますが、それに伴い人格も変わるようにさえ感ずる時があります。殖産興業・富国強兵に向けて、政府が標準語を重視した理由はよくわかります。
古来の表情を持った地域の名称が機能的な味気ない名称になってから、地域の文化はたぶん崩壊しました。せっかくの地名をひらがな表記する自治体は、愛郷心を育てることはないでしょう。
先週、仕事で50を超える企業の社内報を読みました。社内報には見事にその企業の文化や経営水準がにじみ出ています。
コミュニケーションの仕方やメディアが変わりだしていますが、100年後はどうなっているのでしょうか。
しっかりした国語よりも英語を教えたがる、あるいは学びたがる風潮には大きな危惧を感じます。
また、言語の意味をあいまいにしたまま、金銭を言語代わりにしようとしている企業にも大きな不幸を感じます。
昨日、20年以上前に書いた「非情報化革命論」のコピーが見つかりました。
未完でした。私にとってはもう一度読んでみたかった「幻の論文」だったのです。
20年ぶりに読みました。
言語について、もう少しきちんと考えないといけないことに気づかされました。
情報論は面白い課題がまだたくさんありそうです。
よかったら読んでください。
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