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2006/09/28

■ユダヤ人もアラブ人も同じセム民族

イスラエルのことを続けて書いたので、もう一度だけ書きます。

私が学生の頃、「栄光への脱出」という映画がありました。
離散していたユダヤ人が自分たちの国家を創りあげていくという、壮大な物語のプロローグに感動しながらも、それまで仲良く暮らしていたユダヤ人とアラブ人が対立していくエピソードに何か不安を感じました。
私が中東に関心を持つきっかけになった映画です。
特に印象に残っているのは、サル・ミネオ演ずるユダヤ過激派の若者の死でした。
その葬儀の光景が、その後ずっと頭に残っています。

この映画はなかなかテレビでの放映がありませんでした。
中東諸国への配慮からかと私は思っていましたが、どうもそうではなかったようです。
1976年に、パレスチナ過激派が飛行機をハイジャックし、イスラエル人以外を解放し、ウガンダのエンテベ空港に着陸した事件がありました。
イスラエルのラビン首相は特殊部隊を派遣し、人質奪回とハイジャッカーの全員射殺に成功しました。
イスラエルの対パレスチナ強硬姿勢の原点になったといわれる事件です。
それを映画にしたのが「エンデベの勝利」です。
この映画はなぜか経団連(だったと思いますが)が、封切前に企業関係者向けに試写会を行ないました。
私も勤務時間中にそれを観せてもらいましたが、まさにイスラエル賛美の映画でした。
日本の財界はやはりイスラエル支援だったわけです。
そして今はますますイスラエル支援のように思います。

イスラエル建国の契機は、有名なバルフォア宣言です。
英国はパレスチナにユダヤ人の国家を建設することを約束しながら、
アラブとも同じようにパレスチナにアラブ人の国をつくることを約束したフサイン・マクマホン協定を締結しています。
第2次世界大戦において、ユダヤもアラブも味方につけるための二枚舌外交の結果ですが、こうした植民地政策がいまだに克服されていないわけです。

先のDVDで、バレンボイムとサイード(バレンボイムと一緒にラマラ・コンサートのきっかけをつくったパレスチナ人の文学批評家)の対話の中で、「ユダヤ人もアラブ人も同じセム民族だ」という語りがあります。
見方をかえれば、みんな同じなのですが、分けて考えるのが政治の常道です。

ちなみにイスラエルの国民の1/4はアラブ人だそうです。
国家さえなければ、ユダヤもアラブも平和に暮らしていたはずなのですが。
その事実は、ユダヤ人の製作した「栄光への脱出」でもはっきりと描かれていました。

さて、日本はどうなるのでしょうか。
100年後が気になります。

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コメント

 ユダヤ教自体、宗教じたいののもっている問題抜きに
政治や個人のせいにしても無理がある
とおもいます。
 
 また、そうした問題を音楽で埋め合わせることもけっきょく
できないから今のような情況なのだとおもいます。

投稿: のだめ | 2006/09/28 12:18

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