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2006/09/16

■社会アルツハイマー症

若年性アルツハイマーが進行しつつある妻と妻を支える夫の暮らしぶりをドキュメントした番組を見ました。
見た感じ全く普通に見える明るい奥さんの行動が冗談にしか見えないのですが、目の前の茶筒がわからなかったり、4枚の500円玉を数えるとどうしても5枚になったりしてしまう様子がとてもリアルに描かれていました。
妻を支える夫の優しさには、自分だったら出来るだろうかととても感心しました。
女房と2人で観ていたのですが、2人とも他人事ではありません。
しかし、そうなった場合、果たしてこの夫婦のようにあたたかで幸せな関係を維持できるかどうか、心配です。

「半落ち」という映画がありました。
感動的で、私は嗚咽を我慢しなければいけないほど涙が出ました。
自分を失っても生きていくのが幸せか、生かせてやるのが愛情か、は答えの出ない問題ですが、自分がもしアルツハイマーになって、自らを失いだしたら、どうするかに関しても、答えられません。
頭では自らの意識のあるうちに人生を終わりにしたいとは思いますが、その手立てを考えると方策が思いつかないのです。

アルツハイマーとは脳が次第に萎縮していき、知能、身体全体の機能が衰えていき、ついには死に至る病です。
その番組をみていて、もう一つ考えたことがあります。
日本の社会そのものが、いまやアルツハイマー病にかかっているのではないかということです。

個人に起こっているのと同じ現象が、社会にも起こっている。
最近、そうしたことを感ずることが多くなりました。

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