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2006/09/13

■改めて「共済つぶし」の動きについて

日本には古来、結いとか舫いという、相互に支えあう仕組みの文化がありました。
そこではすべての参加者が同じ目線で、まさに平等に支えあう関係が育まれていました。
みんながそれぞれに主役になれるコモンズの世界があったのです。
ところが産業化を急いで進めることになった1940年代から、
そうした文化や仕組みは「前近代的」なものとされて、捨てられてきました。
お互いに支えあうよりも、自分で完結するためにお金儲けをしようという核家族文化が広がったのです。
その結果、経済は成長し、1億総中流社会が実現しました。
わずらわしい隣近所づきあいからも解放され、核家族のなかでみんなが勝手に生きることを覚えてしまったのです。
この結果、家族はもとより、地域社会や支えあう仲間は壊れてしまったのです。

しかし、そもそも「勝手に生きること」など長い目でみたら出来るはずがありません。
そして、人はいつか不運や不幸に陥ることがあるのです。
そういう中で、改めて支え合いの仕組みの大切さが認識されだし、具体的な仕組みが生まれだしました。
その一つが「共済」の仕組みです。
とても誠実でやさしい共済制度がいろいろなところで、多様に育ちだしたのです。
「つながりこわしの時代」から「つながりつくりの時代」へと、時代は反転しだしたのです。

ところが、その「共済」の仕組みを悪用する人たちが現れだしました。
本来、「共済」は市場原理に裏付けられた金銭経済の仕組みとはパラダイムが違いますが、
コモンズ発想が確立されていない状況の中で、
それが混同され、社会的事件さえ発生しだしました。
それを口実に、共済制度を保険制度に取り込んでしまおうという動きが、現実化しました。
それもまた、米国の圧力を受けながらです。
そして、保険法改正により、10月以降、多くの良心的な日本型共済組合は活動を継続できなくなりました。
これに関しては、中途半端な書き込みをCWSコモンズのほうで行ないましたが
もっと正確なサイトがあるはずですので、それをご覧ください。

一昨日、ワーカーズ・コレクティブ共済の関係者から聞いた話ですが、
保険法を改正するに際して金融庁の担当官が取材に来たそうです。
そして実情を聞いて、「とても良い共済組合だすね」と感心して帰っていったそうです。
ところが、その共済組合もまた保険法の対象になり、継続できなくなっています。
何のための事前調査だったのでしょうか。
現場の担当官が感動した「素晴らしい仕組み」も解体されるのが、現在進められている共済壊しの現実です。

これも「民営化」の一面なのです。
「官から共へ」を標榜している私にとっては、民営化の欺瞞性を暴くべきだと思っていますが、
日本では民営化信仰があまりにも強くて、相手にされません。
「官から民へ」などという馬鹿なスローガンは時代錯誤もはなはだしいと私は思っています。
もう「官民」の時代ではないのです。
しかしまだ「お上」に支配される民でいつづけたいと思っている日本人が圧倒的に多いのです。
主体的に生きたと思っている私のような人間には、とても生きにくい社会です。

共済は「共」(コモンズ)の象徴的な仕組みの一つです。
それが壊されようとしていることがとても寂しく恐ろしいです。
手をこまねいているしか方策はないのでしょうか。

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