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2006/09/25

■繁栄と平和における死者

イラクは復興しているのでしょうか。
昨日の朝日新聞に、「アフガンとイラクでの米兵死者、米同時テロ犠牲者を超す」という記事が出ていました。
AP通信の集計によると、ブッシュ政権が派兵したアフガニスタンとイラクの両戦争での米兵の死者数が2,974人になり、9.11事件の死者数(2,973人)を超えたそうです。
イラクでの死者は2,696人だそうです。

一方、イラクの民間人の死者は、7~8月の2か月間だけで6,599人だそうです(国連発表)。
毎月、9.11事件を超える死者がでているということです。
このことがなぜ問題にならないのか、残念です。
「人道上の支援」の欺瞞を理解しなければいけません。
日本の自衛隊は、こうしたことに「貢献」しているわけです。今もなお。

イラクの死者数をもう一度、考えて見ましょう。
毎日100人を超す民間人が不条理に殺されているのです。
彼らの死はコラテラル・ダメッジとして、片付けられているのでしょうか。
少なくともそこには、イラクでの生活者の視点は皆無です。

しかし、それに近い数の人が、日本では毎日自殺しています。
この8年の日本での自殺者は、平均すれば、毎日80人を超えています。

先週、東尋坊で自殺予防活動に取り組んでいる茂幸雄さんにお会いしましたが、茂さんから8月に起こった哀しい話を聞きました。
せっかく、茂さんたちが思いとどまらせたのに、自宅に戻って、結局自殺してしまった家族の話です。
茂さんの無念さが伝わってきました。

殺される死と死なざるを得ない死。
全く違うように見えて、そこに通底するものを感じます。
国家や制度に翻弄される個人です。
そうした動きに対抗できるのは、人のつながりしかありません。

イラクでの不条理な活動を開始したアメリカでも死者は決して少なくありません。
たとえば、餓死者の急増が予想されています。
2003年のデータですが、米国民の8人に1人(約3,500万人)が貧困状態で、その内1,300万人が子供だそうです。アメリカは先進国としては最大の貧困児童数で、寿命は最低という深刻な事態になっているという報道もあります。
ブッシュ政権になって以来、格差が拡大し、富める者はますます富み、飢餓に苦しむ貧者は増加しているそうです。日本もその道を進んでいるのかもしれません。

約3,100万人のアメリカ国民が、次の食事を入手する手段を持たない「飢餓状態」にあるという報道もあります。
もしこれが真実ならば、ブッシュが非難する北朝鮮とそう変わらないわけです。
そうしたことを背景にイラク攻撃が行なわれていると考えれば、9.11事件もイラク侵略戦争もマスコミ報道とは違った見え方がするように思います。

殺される死と死なざるを得ない死。
そして、ゆっくりと進む避けられない死。
それぞれ表情は違いますが、その不条理さにおいては同じです。

こうした不条理な死がなくなることが、平和の意味ではないかと思いますが、
現代の平和論は必ずしもそうではなさそうです。

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