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2006/10/14

■理想と現実のつながりの認識

昨日、企業の管理職の皆さんにお話しする機会がありました。
「アントレプレナーシップを持って企業価値を高めませんか」
というのがメッセージです。
話の後、意見交換する時間がありました。
話には共感し、腹に落ちるのだが、といいながら、
次のような発言がありました。

「理想はわかるが現実は難しい」 「職場にはそんな裁量権はない」 「言いだしっぺが損をすることが多い」 「いまの企業には受け入れる素地がない」

日本の企業人のモティベーションは世界で最も低いといわれます。
30年前とは全く違います。
まさにそれが実証された感じです。
後ろ向きの発想が企業の管理者には充満しています。

「理想は現実とは違うから意味があり、実現しようとしないのであれば理想ではない」 「職場の裁量権がなくていいのか。それを変えようと思わないのか」 「言いだしっぺが損をするのではなく、得をするのが本当の提案。自分でやりたい内容でなければ良い提案とはいえない」 「その素地を創っていくことが大切なのではないか」
というような答をしましたが、 どうもみんな疲れていて、前向きではありません。 「難しい」「やれない」というところから出発してしまっては、何も始まりません。

しかし、異口同音にこういう言葉が出てくることからも、
日本の大企業のおかれている現状がよくわかります。
NPOやベンチャー企業とは正反対です。
現状を変えていくという姿勢ではなく、現状に適合しようという姿勢が強いのです。
みんな疲れているのかもしれません。
そういえば、ある人が、
「最近の日本人は歩くのが遅くなってきている」
といいました。
かつては一番早足だった日本人の歩き方が遅くなっているのは、
どうもスローライフのためではなく、疲労のためなのかもしれません。

理想や夢は実現しなければ意味がありません。
理想は理想、夢は夢、とおもうのは生半可の世俗通の大人の論理です。
理想と現実はつながっているのです。
理想をしっかりと持って、現実を見ると、見え方が変わってきます。
そして自らの動き方も変わってきます。
それをしないのは生き方もあるでしょうが、
同じ一生であれば、私は主体的に生きたいと思います。

こうした声はいろいろと聞いてきました。
ある町で仕事していたときには、
佐藤さんの言うことは理想だが、
そんなことをしていては仕事にならないという声を聞いたことがあります。
仕事とは何かを全く理解していない人の発言だと私は思います。
その人は課長職でしたが、とても残念な思いでした。
その町の仕事はやめました。
理想を目指さない仕事は私には時間の無駄でしかありません。
誰かがやってくれるでしょう。

理想から出発し、
いかにしたらそれに近づくことができるか。
まずは実現できると考える。
そういう生き方をしたいと思っています。
その気になれば、必ず道はあるものです。
万一なかったとしても、人生に悔いは残らないでしょう。

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コメント

組織について語る時、ハードウェア(形や構造)よりも、ソフトウェア(共有の価値観、モチベーション、蓄積されたナレッジなど)に注目すべきだと思います。「理想」もソフトウェアの重要な要素です。
日本の企業のかつての強さの源泉は、そのソフトウェアの力にあったのですが、近年の近視眼的な合理化、数字優先の経営により、ソフトウェアが著しく劣化してきたように思います。
絶対の品質を誇っていた日本の製造業において、最近トラブルやリコールが相次いでいますが、これも技術力の低下ではなく、組織のソフトウェアの劣化の結果ではないでしょうか。
どんなに立派なハードウェアを有していても、ソフトウェアに問題があれば、優れたアウトプットを期待することはできないと言わざるをえません。

投稿: 西浦裕二 | 2006/10/14 20:38

全く同感です。

組織にとって最も重要なのは、
私はいわゆるソーシャル・キャピタルとしての信頼関係や人のつながりだと思います。
ハードに人を合わせる発想ではなく、
表情のある人に合わせた組織デザインが効果的のように思います。
イニシャルコストは高いですが、
できてしまえば自律的に自己組織化していくように思います。
その原動力になるのが「理想」では内科と、私も思っています。
そういう思いを持った企業経営者はいないでしょうか。

投稿: 佐藤修 | 2006/10/16 07:24

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