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2006/11/20

■利が理を制した沖縄知事選

沖縄知事選は平和を目指す統一候補として、非自民の全野党が一本化したにも関わらず糸数候補が敗れてしまいました。
利が理を制する流れは、ここでも食い止められなかったのです。
利が理を制する。
これが昨今の日本の状況です。
かつて世界から賛美された「美しい国」はますます遠のきました。

理では生きていけない、エゴに生きる住民は利を選ぶ。
理をえらぶ賢い市民がまだ日本では育っていない、という人もいます。
私は市民を信じない人間ですので、その意見には与しません。
日本には欧米的な市民よりも、もっと理に生きている常民や住民がいたのです。
自ら理を捨てた有識者たちが、そうした存在を無視し、社会を壊してきたのではないかという疑念を否定し切れません。

ところで重要なことは、
利は決して住民に還元されることが無いということです。
基地がなくなれば経済的自立ができなくなるという強迫観念は、作られた強迫観念です。
その強迫観念で、北海道と沖縄は、権力や有識者の利の源泉に置かれています。
住民たちはその仕掛けを支える存在にさせられているように思います。
利は一部のものに集中します。
それが利の本質です。
利とは絶対水準ではなく相対関係だからです。
格差こそが利なのです。

郵政民営化もそれによる利益は権力者や金持ちに行くのであって、利用者や国民の多くは利を奪われることになりだしています。パイが同じなのですから、それは少し考えたらすぐわかることなのですが、それに気づかない人がなぜか多いのです。思考停止しているからでしょうか。

理はどうでしょうか。
理はその本質上、すべてのものに行き渡ります。
なぜなら理はすべての関係性に立脚しているからです。
宮沢賢治がいうように、隣に不幸な人がいたら、理は成り立ちません。

利が理を制する社会。
生きにくい社会になりました。
今朝は憤りよりも寂しさでいっぱいです。

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